アンケート(Questionnaire)は、認識を調査したり、 心理尺度 を測るための方法です。 アンケートは、感性評価や官能評価と言われることもあります。
このサイトでは、 環境経済学 の CVM がアンケートによる方法ですし、 環境心理学 や、 リスク認知 でも主要な手法です。
良いアンケートをすると、良いデータが得られます。 データが得られれば、 統計学 や、 多変量解析 の出番になります。 基本的に物理尺度の方法を転用できますが、 アンケートの場合は 質的データ も多いので、 数量化T〜W類 を使うこともあります。
アンケートは質問の仕方によって、回答を誘導することができてしまうことがあります。 いくつかの効果が知られています。
上記以外のデータサイエンスの話は、以下があります。
セマンティック・ディファレンシャル法(Semantic Differential)のことです。
ある言葉に対する印象を測る方法です。
「明るい・暗い」のような言葉を両極端にして、
それらにどの位近いと思うかを、7段階等に分けて答えてもらいます。
7段階の場合、どちらにも近いと思わなければ、答えは「4」になります。
コンジョイント分析は、 実験計画法 を マーケティング の分野で使えるように考えられています。 価格や機能の水準をいくつか決めて、それらの水準の組み合わせを実験計画法で計画して、最適な組み合わせを決める方法です。
一般的な理系の実験では、実験計画法で実験条件の組み合わせを計画して、 その組み合わせで実験、結果のデータYを得て、そのYを解析します。 コンジョイント分析では、「実験」の部分がアンケートです。 アンケートを取って、組み合わせを点数付けしたものが、Yのデータになります。
アンケートの方法のひとつに自由回答文があります。 選択式ではなく、文章を書いてもらいます。
量が多い時の分析方法として テキストマイニング があります。
「シリーズ[データの科学]」 朝倉書店
タイトルは「データの科学」になっていますが、社会調査が中心になっています。
「アンケート調査」 根岸龍雄・飯渕康男 監訳 廣川書店 1992
言葉の使い方が中心になっています。
データ解析には触れていません。
「すぐわかるSPSSによるアンケートの調査・集計・解析」 内田治 著 東京図書 1997
質問文の作り方と、データ解析の方法です。
「アンケート調査の方法 −実践ノウハウとパソコン支援」
辻新六・有馬昌宏 著 朝倉書店 1987
アンケート調査全般にわたる手引書です。
時間やコストの話も出てきます。
「調査可能性の確認」というところがあって、
そもそも測れないものを質問していないのかについて、注意しています。
CVMの問題点は、こういうことだと思います。
「質的データの解析 −調査情報のよみ方−」 上田尚一 著 朝倉書店 2003
アンケートデータの分析方法や解釈の仕方について。
安易な結論への注意等。
円グラフや三角図表に関わるデータの話。
「心理学研究法 −データ収集・分析から論文作成まで−」 大山正・岩脇三良・宮埜壽夫 著 サイエンス社 2005
心理学の研究の方法として、
観察法・面接法・実験法・質問紙法(アンケートのこと)・SD法・反応時間測定法・
心理検査法・精神物理的測定法・
実験計画法
・
検定
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分布
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回帰分析
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因子分析
・
多次元尺度構成法
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数量化T〜W類
についてコンパクトにまとめた方法です。
「Rによるマーケティング・シミュレーション」 朝野煕彦 編著 同友館 2008
コンジョイント分析が住宅のニーズの分析として出て来ます。
この本のコンジョイント分析では、アンケートの回答者に好ましい順に、組み合わせを並べてもらう事で、点数付けをします。
「点数」が「順位」のデータになります。
順路 次は 尺度構成法