実験計画法は、 実験の計画 の方法(正確には、 サンプリング の計画の方法)と、 実験データの解析 の2段階で構成されています。
実験の目的から、どんな結果が欲しいのかを考え、それに合わせて計画して行きますので、 2段階はセットで考えます。
実験計画法を知っていると、特に実験をする訳でなくても、データを集める時の サンプリング を考える時にも役に立ちます。
品質工学 が提案する実験計画法については、 パラメータ設計 のところで解説しています。
品質特有の「ばらつき」という状態を、評価するため、 二段階設計 、 SN比 、 誤差因子 、 直交表の外側配置 といったアイディアを、一般的な実験計画法に必要に応じて加えます。
実験計画法は、一般的には理学や工学の分野で出て来る方法です。 しかし、 マーケティング の分野でも、消費者の認識や心理を測るための方法として、実験計画法が使われています。「 コンジョイント分析 」と言われているものがそれです。
「Excelで学ぶ理論と技術 実験計画法入門」 星野直人・関庸一 著 ソフトバンククリエイティブ 2007
実験計画法で使う統計学も基本から書かれていますし、
一通りの内容がコンパクトにまとまっています。
「すぐに役立つ実験の計画と解析〈基礎編〉」 谷津進 著 日本規格協会 1991
基礎から丁寧に書かれています。特殊な特性の扱い方も、紹介しています。
「Pythonで学ぶ実験計画法入門 ベイズ最適化によるデータ解析」 金子弘昌 著 講談社2021
タイトルからはわからなかったのですが、この本は、
回帰分析
、
ガウス過程回帰分析
、
サポートベクターマシン
、
決定木
、
k近傍法
といったデータ分析の紹介で半分くらいのページを使っています。
この本は、適応的実験計画法と呼ばれている方法の本になっていました。
適応的実験計画法というのは、
「持っているデータで、モデルを作り、ベストな値が出そうな実験の条件を推測 → その実験の条件で実験
→ 欲しい値が実際に得られれば実験終了。得られなければ、新しい実験の条件のデータも入れたモデルを作る。」
、という手順を繰り返す方法でした。
「データの取り方とまとめ方」 James N. Miller・Jane C. Miller 著
宗森信・佐藤寿邦 訳 共立出版 1991
一連のデータサイエンスの解説の中で、
実験計画法にも触れています。
「データサンプリング」 新保雅一 編 北田修一・新保雅一・田中昌一・宮川雅巳・三輪哲久 著
共立出版 2002
各分野の実験計画法の比較を簡単にした後に、各論になっています。
各論の部分は専門的です。
「品質を獲得する技術」 宮川雅巳 著 日科技連
品質工学の実験計画法について、数理的な解説が詳しいです。
この本は実験計画法以外の品質工学の手法も解説しています。
「実験計画法特論」 宮川雅巳 著 日科技連
実験計画法について、体系的にまとまっている本です。
順路 次は 実験の計画