パラメータ設計とは、 一言で言えば、 実験計画法 で実験を効率的に実施し、品質のばらつきを評価する方法論です。 パラメータ設計は、品質の設計段階を想定しています。
「オフライン品質工学」とも呼ばれます。 人によっては、パラメータ設計だけを、「 品質工学 」や、「タグチメソッド」として解説することがあります。
パラメータ設計が社会に貢献したことは、 実験計画法とばらつきの評価の有用性を、世に広めたことです。 実験計画法は、品質工学らしさのある使い方をします。 ばらつきの評価尺度には、 SN比 が提案されています。
世の中のパラメータ設計の解説には、大変な思想論がくっついています。 しかし、方法論を眺める限りでは、 そんなに複雑な構造はしていません。 このサイトは、方法論を軸にした解説にしています。
簡単に言えば、 ロバスト設計 という考え方をもとにして、 二段階設計 で実験のデータを解析すれば、ばらつきの小さな品質のパラメータが得られるようになっています。
特性の分類 や、 因子の分類 は、どのような実験が適切かを考える時に必要です。
「製品開発のための統計解析学」 松岡由幸 編著 共立出版 2006
製品開発の視点で、
統計学
・
多変量解析
・
実験計画法
・
品質工学
を扱っている本です。
この本の「品質工学」は、パラメータ設計のことです。
直交表
の使い方や、数理的なことがすっきりと書かれています。
「バラツキの対処法 品質を最大限に引き出す数学」 小池伸 著 技術評論社 2023
品質工学については書かれていないのですが、品質工学と同じように、設計時に製品のばらつきを検討する方法がテーマになっています。
著者独自のアプローチです。
・正規分布を前提とするのではなく、類似の現象のデータによる実際の分布を参照する。
・シミュレーションモデルに、確率分布を持ち込んで、現実に近くする。
「データサンプリング」 新保雅一 編 北田修一・新保雅一・田中昌一・宮川雅巳・三輪哲久 著
共立出版 2002
工業系以外の実験計画法との比較
「設計科学におけるタグチメソッド :パラメータ設計の体系化と新たなSN比解析」 椿広計・河村敏彦 著 日科技連 2008
SN比による評価では、
仮説検定
を普通はしないので、「やれるといいのになぁ。」と、筆者は常々思っていたのですが、
そういうことができるようにする研究が進められているそうです。
また、
損失関数
の期待値を評価することと、SN比を評価することは、同じことをしているようです。
この本は、これらの2点が知ることができた点が良かったです。
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