「ばらつき」による顧客不満足や、工場のコストは大きいです。 「品質を安定させるには、 設計段階で外乱に強い設計をすべきである。」 という考え方を、ロバスト(頑強な)設計と言います。
ロバスト設計の実現に必要なのが、あらかじめ重要因子を把握し、制御することです。 このための実験手順や数理が開発されてきました。
とはいえ、「ロバスト設計」は、理想の設計のイメージです。 こういうものを 品質工学 は目指していますが、 ロバストにするための方法も、ロバスト性の評価方法も、絶対的なものはありません。
設計段階の品質工学が改善しようとしている品質は、まず、「ばらつき」です。 いわゆる「平均値」ではありません。 具体的には、 二段階設計 の手順に表われていますが、品質工学では、 「平均値」は二の次にします。
実験計画法 を活用したりもするので、実験のコストやスピードが改善でき、 それによって、「平均値」の改善もやりやすくなります。 しかし、「平均値」の改善方法としての品質工学は、副次的な効果に過ぎません。
品質工学では、ばらつきの制御を重視するので、まず、ばらつきの最適化を考えます。
「ロバスト設計を目指す。」
→
「ばらつきの制御を第一に考える。」
→
「
SN比
をばらつきの尺度にする。」
、というのが、思想から数理までの流れです。
順路 次は 品質工学のSN比