経済系と生態系の融合は、主に、 エコロジー経済学・エントロピー経済学・生物経済学 で議論されています。 環境経済学 の中でも、 自然科学 の話題が非常に多いです。
経済系と生態系の融合は、 どちらかと言うと根治療法だと思います。 既存の経済学を根本的に見直そうとするからです。 とはいえ、言うのは簡単ですが、実行するのは非常に大変な方法です。
「経済系」は、社会でのお金の仕組みを指すこともありますが、 ここでの「経済系」は、「人間社会」と考えた方が、考えを進めやすいです。
経済系(人間社会)と生態系を、ひとつの大きな系(システム)と考えることによって、その実現が目指されています。 この大きなシステムの重要因子は、エネルギーや物質です。 エネルギーや物質の最適化を検討します。 この方法において、お金は、「最適化するための道具のひとつ」という位置付けになります。 ここが狭義の環境経済学の視点との、大きな違いです。
地球温暖化問題の話では、エネルギーシステムと、マテリアルシステムの両方が議論されるので複雑です。 主役は、炭素(カーボン)です。 炭素は、生物の体でも、化石燃料(石油・石炭・木材)でも主要な元素です。
エネルギーは 生態系 と人間社会に共通した構成要素です。 そこで環境と人間社会を一括したシステムを考えて、エネルギーの流れを見る方法があります。 エネルギーの全体最適化を考えます。
エネルギーシステムでは、エネルギー保存則が重要ですが、保存則を考えるだけでは不十分です。 「 リサイクル 至上主義」みたいなことになってしまいます。 エントロピーやエクセルギー を考えることも重要です。
物質(マテリアル)も、生態系と人間社会に共通した構成要素です。 そこで、 物質の循環 を見る方法もあります。 物質の流れは、「マテリアルフロー」と言われたりもします。
マテリアルフローに注目すると、 製造業で言えば、製造で発生する廃材や廃液も見逃さなくなります。 マテリアルフローとコストを分析する方法として、 マテリアルフローコスト会計(MFCA) があります。
経済系と生態系を一緒にしたシステムの性質を検証したり、 未来を予測するための シミュレーション としては、 システムダイナミクス があります。
順路 次は 中間システム
環境経済学の参考文献は多いため、 環境経済学の本のページ にまとめてあります。