システムダイナミクス(System Dynamics)では、 ストック・フロー・コンバータ・コネクタの組合せだけで現象をモデル化します。 このモデル化で、フィードバックを含んだ微分方程式が作られます。 この微分方程式の時間的な変化の シミュレーション がシステムダイナミクスです。 システムダイナミクスは、連立した微分方程式のシミュレーションです。
高校生程度の数学の知識を組み合わせると、 自然現象や社会現象のシミュレーションができてしまうのが、 システムダイナミクスの魅力です。
実際、米国では高校で教えられているそうです。 (MITにかなり親切な教材が公開されているので本当なのでしょう。)
ストック・フロー・コンバータ・コネクタを組合せて、 それらの間のルールを設定します (このプロセスは パス解析 でパス図を作る過程と似ています)。 すると、ソフトウェアがシミュレーション結果を出します。
試行錯誤を繰り返したり、高度なことをするには、 専用ソフトウェアが良いかもしれません。 しかし、 微分方程式の数値計算 を勉強した方なら、 自作ソフトでもある程度は試せると思います。
イメージをつかむために、特徴をまとめてみました。
「シミュレーションによるシステムダイナミックス入門」 土金達男 著 東京電気大学出版局 2005
ストック・フロー・コンバータ・コネクタを組合せて、
シミュレーションにもっていくまでの数理
(どうやって計算しているのか?)が興味のあるところなのですが、
本文には書かれていませんでした。
本文にはなかったのですが、この本にはSTELLAの体験版CDが付いていて、
STTELAには作図が式に書き直されている画面があるので、
そこで数理がわかりました。
微分方程式の数値計算を学んだ方は、一目でわかると思います。
「システム工学」 中森義輝 著 コロナ社 2002
モデリング手法として、システムダイナミクスの概要が出てきます。
「コーポレート・エコノミック・ダイナミクス」 太田康信 著 日科技連 2008
ミクロ経済学を、システムダイナミクスで扱う本です。
「文科系のための意思決定分析入門」上田泰 著 日科技連 2002
簡単なシステムダイナミクスを、EXCELで実行するための手引きがあります。
「システム思考がモノ・コトづくりを変える デジタルトランスフォーメーションを成功に導く思考法」 稗方和夫・高橋裕 著 日経BP 2019
システムを、定量的に分析する方法として
システムダイナミクス
が出て来ます。
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