ごみ問題に関連する データサイエンス には、廃棄物管理や運搬の監視で、ITを活用する話があります。
Reduce(リデュース・減量)・Reuse(リユース・再使用)・Recycle(リサイクル)の3つのRを取った言葉です。 ごみ問題の運動の中でよく出てきます。 3つのRの順番はそのまま優先順位にもなっていると言われています。
リサイクルは熱心な活動もありますが、反対意見もあります。 すべての意見を知っている訳ではありませんが、 「リサイクルには大量の資源(水・薬品・エネルギー等)が必要な場合があって、 資源問題を加速させる。」や、「リサイクル品の 品質 確保は難しい場合があって、 信頼性 や 安全 の確保も難しくなる。」、 という点は、もっともだと思います。
優先順が3番目のはずのリサイクルが、1番目に対策されがち、という問題もあります。
ゼロ・エミッションとは、ごみを限りなくゼロにしようという運動です。
何かを自然界から取り入れて、何かを自然界に出すのは、
生き物として当たり前のことなので、
何かの活動をする限り、ごみを減らすことはできてもゼロにはならないです。
したがって、ゼロ・エミッションは理想論です。 しかし、世の中には「ゼロ・エミッション達成」と言う報告もあります。 この場合、「直接埋め立て処分する廃棄物が対象」等の定義によって、達成されています。
環境経済学 では、「捨てない」ための議論ではなく、 「理想的な捨て方」の議論が エントロピー の概念を使ってされています。
「ごみゼロ社会は実現できるか」 行本正雄・西哲生・立田真文 著 コロナ社 2006
リサイクルや適正処理の本になっていて、「ごみゼロ」とは違う感があります。
3Rでリサイクルは最後というのもありますし。。。
「複雑現象を量る 紙リサイクル社会の調査」 羽生和紀・岸野洋文 著 2001
紙リサイクルの生産者と消費者の意識調査の本。
羽生氏は環境心理学でお名前を見かける方です。
「新・廃棄物学入門」 田中勝 著 中央放棄出版 2005
海外の廃棄物処理の状況にも触れつつ、廃棄物全般の入門書になっています。
本の内容とは無関係ですが、
数値データが漢数字で書いてあるので、ピンとこなかったです。
「廃棄物処理と経営」 阿澄一昌 著 日刊工業出版社 2000
副題が「良い業者・悪い業者の見分け方」です。
経営者への指南書になっていて、経営面から廃棄物処理を見ている本です。
「廃棄物の資源化技術」 村田徳治 著 オーム社 2000
さまざまな廃棄物の資源化技術が、コンパクトにまとまっています。
化学式が多い印象がありました。
「廃棄物ビジネス論」 長沢信也・森口健夫 著 同友館 2003
副題が「ウェイスト・マネジメント社のビジネスモデルを通して」です。
この本の特徴は2つあり、
ひとつめが米国のウェイスト・マネジメント社(WM社)を題材にしていることです。
そして2つめが、この本が森口氏の修士論文を基に構成されていることです。
森口氏に感服しました。
日本の廃棄物処理業では大企業がないのに、
米国ではWM社のような大企業が存在している理由がいくつか挙げられています。
廃棄物処理も含めた総合的な廃棄物管理を事業と位置付けているところが、
大企業になれた理由として挙げられていました。
「ごみを燃やす社会」 山本節子 著 築地書館 2004
副題は「ごみ焼却はなぜ危険か」です。
「ごみは燃やしてはいけない」というのがこの本の結論です。
理由は、ごみを燃やすと有害物質が、
排水・排気・灰に混ざって私たちの健康を脅かす存在になることです。
有害物質の浄化技術の存在は、認めないようです。
「燃やさずに埋めなさい」という主張でもないです。
埋めることも認めていません。
この本の主張は、「工夫すればごみはなくせるから、燃やさなくて済む」です。
その工夫というのは、重金属やプラスチックを使わない事等です。
著者自身もそのような生活はできないのではないかと思っています。
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