「 外部性の内部化 」や、「 経済系と生態系の融合 」は、比較的単純な論理を使って、現実への対処を考えて行こうとします。 環境経済学 には、複雑な事情のからみ合う現実に対して、 何が起こったのかを特に被害者側の視点で実地で観察し、そこから理論を組み立てていくアプローチがあります。
これは、 環境問題 の中でも、公害のように特定地域の社会問題になるようなものに対しての理論です。 都留重人氏や、宮本憲一氏が第一人者のようです。
中間システム論は、そうした理論の代表と言えそうです。
中間システム論では、 資本形成・産業構造・交通体系・生活様式・国家統治構造等を「中間システム」としてとらえ、 「中間システム」によって、環境のあり方(公害の程度、等)が変わるとしています。
中間システムの話は、環境経済学で登場しますが、社会や政治のしくみを論じていて、 「経済学」という感じは必ずしもしません。
中間システムは、国や地域に関するものですが、 環境経済学では、もっとグローバルな視点の社会問題として、 人工問題や南北問題 が論じられることもあります。 これらの問題は、国際的な貿易のしくみ(グローバリゼーション)とも、切り離せません。
人工問題は、社会問題としてだけでなく、 経済系と生態系の融合 の話でも、非常に重要なポイントです。
順路 次は 経済性の尺度
環境経済学の参考文献は多いため、 環境経済学の本のページ にまとめてあります。