数理モデルを使って社会現象を研究する分野は、 数理社会学や計量社会学と呼ばれています。
この分野には、社会現象を数理モデルで表現する事自体への議論もあります。
ネットワーク関係で見た文献は、 ネットワーク分析のページにあります。
「計量社会学入門 社会をデータでよむ」 神林博史 他 編 世界思想社 2015
重回帰分析、
ロジスティック回帰分析、
構造方程式モデリングを使った研究が多い。
イベントヒストリー解析 : 信頼性工学にあるような、打ち切りのあるデータの解析。
「ソシオダイナミクス 社会経済システムの物理学的方法」 ボルフガング・ワイドリッヒ 著 森北出版 2007
数式を中心にして、書かれている本。
マスター方程式(微分方程式のこと)のモデルを扱う。
「数理社会学入門」 数土直紀、今田高俊 編著 勁草書房 2005
数理と社会学の関係の話が中心。
数理として出て来るのは、ゲーム理論とシミュレーション(微分方程式)。
「社会学入門 社会をモデルでよむ」 数理社会学会 監修 朝倉書店 2014
14のテーマと、そのモデルを扱っている。
この本で、モデルとは、社会現象のミクロの部分にある因果関係を、シンプルに表現したもの。
スモールワールドモデルを、数ページでコンパクトに解説。
環境問題のモデルが、
ゲーム理論。
転職情報の取り方のモデルが、紐帯。
「数理社会学の理論と方法」 小林盾、海野道郎 編著 勁草書房 2016
ネットワーク分析、
ゲーム理論、
微分方程式、統計学について、概要と研究の事例を紹介。
ネットワーク分析では、「隙間の立場だと、ソーシャル・キャピタルを利用しやすい」など。
「進化するシステム」 中丸麻由子 著 ミネルヴァ書房 2011
格子モデルやゲーム理論を使って、互恵、罰、噂などを研究した例があります。
社会システムをモデルで研究することの全体的な話もあり、長所や短所、分類があります。
「社会システム理論 不透明な社会を捉える知の技法」 井庭崇 編著 慶應義塾大学出版会 2011
システム論
を元にした社会の見方の話が中心ですが、具体的な研究方法として、モデルのシミュレーションから複雑な社会を理解するアプローチと、
複雑なデータから社会を理解するアプローチの両方の話もあります。
熊坂賢次氏との対談では、社会学の中でのデータ解析として、
「核からロングテールまでをいくつかに区切って、それぞれをクラスタリングして全体を見る」、
「画像情報の量を地図上に表示して、世界の認識のされ方を見る」、
等の方法も紹介されています。
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