「ゲーム理論(Game Theory)」と聞いて、「 将棋とか、コンピュータゲームの理論?」、と思うのは、筆者だけではないと思います。 そういったゲームとも無関係ではないですが、 ゲーム理論のゲームというのは、駆け引きのことです。
ゲーム理論とは、 一方の動きがもう一方の動きに影響したり、 一方の動きによってもう一方の利得が変わる場合の理論です。 心理学や経済学では、駆け引きを研究するための理論として、たくさんの本が出版されています。 本のタイトルにゲーム理論と書いていなくても、中を見るとゲーム理論の解説になっていたりすることもあります。
「はじめてのゲーム理論 2つのキーワードで本質がわかる」 川越敏司 著 講談社 2012
ゲーム理論の本なのですが、6章で、アローの不可能性定理の説明があります。
アローの不可能性定理とは、民主的な選び方になるようにルールを決めると、そのルールが成り立つのは独裁的な場合しかないという定理
「社会を数理で読み解く 不平等とジレンマの構造」 盛山和夫 編著 有斐閣 2015
ゲーム理論や
マクシミン基準
など、いわゆる
意思決定論
の話が多いです。
取引がうまく進むかどうかの分析にゲーム理論を使っている。
相手の行為の情報が判断に影響し、利得に影響することを分析している。
「数学的推論が世界を変える 金融・ゲーム・コンピューター」 小島寛之 著 NHK出版 2012
この本では、ギャンブルのような「ゲーム」と、ゲーム理論で言うところの「ゲーム」の両方が登場します。
このような必勝法を見つけるのに数学的推論が使われているそうです。
演繹的推論の応用として、ゲーム理論が紹介されています。
「ドラマ理論への招待 −多主体複雑系モデルの新展開」 木嶋恭一 著 オーム社 2001
ドラマ理論というのは、ゲーム理論の発展型の理論です。
ドラマ理論は、感情の変化に応じた状況の変化を扱える理論と言われています。
「脅し」をモデル化したものをゲーム理論に加えることによって、
ドラマチックな解が求められるような仕掛けになっています。
この本では、決定主体の価値観の違いを扱える「ハイパーゲーム理論」や、
統計力学のモデルを使って、ミクロの動きからマクロの変化を導ける、
「ランドスケープ理論」というものも紹介されています。
この本は、冒頭に、@
システム論
・Aシステム思考・B意思決定論・C多主体複雑系の理論がコンパクトにまとまっていて、
その後に、Dドラマ理論等の手法が解説されています。
Dが本論ですが、@〜Cも良くまとまっていました。
@〜Cは哲学的な話です。
Dが具体的なツールの話です。
どうやら著者は、@→A→B→C→Dの順で、解説することによって、
Dの位置付けや重要性を述べようとしているようなのですが、
各々の段階は、論理的なつながりに無理があるように思います。
「Q&A:入門意思決定論」 木下栄蔵 著 現代数学社 2004
初歩が、簡単な例題で学べます。
「やわらかい情報処理」 吉田紀彦 著 サイエンス社 2003
ニューラルネットワーク
・
遺伝的アルゴリズム
・
強化学習
・分散人工知能・ゲーム理論について、
それぞれの関わりにも触れつつ、まとめられています。
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