因果推論 をする時に、「原因は〇〇、結果は××」というように、2つの物事だけで成り立っていないことがあります。
3つ以上の物事が関係していることの話のひとつが、 因果関係の種類(ANDとOR) の話です。
別の話として、「原因の原因」や「根本原因」と言われるものがあります。 なぜなぜ分析 では、原因の原因を探って、根本原因に行き着こうとします。 「根本原因は、心理的なもの、物理的なもの、論理的なものの、3つに分かれる」というのが、このページの話です。
因果関係を知りたい現象が、どういう物で起きているかによって、心理、物理、論理というようにアプローチを変えます。
現実に起きる現象の原因は、複雑です。
こうした場合は、人間によるものと、物によるものが混ざっていますが、
心理、物理、論理のそれぞれの観点で検討を進めて、それらがどのように関係しているのかを整理します。
例えば、「工場で不良品がたくさんできた」という場合は、人の作業、不良品で起きたことに分け、人の作業については、
マニュアルなどで決まっていることと、決まっていないことに分けます。
不良品で起きたことは、物理的なこと、人の作業で起きたことは、心理的なことと、論理的なことの2つ、と考えます。
人間の行動で、生活や仕事の中で日常的にしている行動については、 行動分析学 で、よく研究されています。
「〇○をする」というような行動には、前提になる条件が前にあり、良いことが起きる(起きたことがある)というのが後にあると考えます。
「〇〇をしない」という場合は、何も良いことがない(なかった)という場合と、悪いことが起きる(起きたことがある)場合を、考えます。
「良いこと」というのは、「メリット」とも言えます。 その人にとっては、何か良いことがあるので、その人はその行動をすると考えます。 「良いこと」と、その人自身が自覚しているとは限らないので、本人に聞いてもわからないこともあります。
行動経済学 や 意思決定の心理学 では、一般的に人間が「こちらの方が良い」と考える時の癖の種類が、研究されています。
解明されていないこともたくさんありますが、自然現象には法則があります。 例えば、「万有引力の法則」などです。 日常的な例だと、「水は高い方から、低い方へ流れる」、などです。
工場の機械は複雑なことをしているように見えても、ひとつひとつは自然法則の応用になっています。
自然法則は、数式で表されているものがたくさんあります。 物理学や数学では、難解な概念や式が研究されていますが、最先端の工場だとしても、 その中で起きていることの多くは、初歩的な自然法則の式が当てはまります。 とにかく、 統計モデル にデータを入れてみて、当てはまりの良い・悪いで一喜一憂するよりも、 自然法則から 数理モデル を考えた方が、説明性の上でも確実な進め方になります。
機械やソフトウェアの動きは、必ず、それが書かれたプログラムがどこかにあるので、それを見るのが一番確実です。
プログラムを見ることができなかったり、見てもわからないくらい難解な場合は、動きを見てプログラムにどのように書かれているのかを推測します。
「バレット博士の脳科学教室7 1/2章」 リサ・フェルドマン・バレット 著 紀伊國屋書店 2021
社会的現実と物理的現実と分けて、物理的現実の方は、自然法則を想定しています。
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