等質性分析は、線形和のモデル式を最適化して求める方法全般を含む方法です。 回帰分析、 判別分析、 主成分分析、 正準相関分析 などが当てはまります。
等質性分析は、線形和を扱うものなので、 機械学習 の方法としては、古くから使われているものです。 短所としては、複雑な曲線で表した方が良いモデルには使えない点があります。
長所としては、シンプルなモデルなので、 AIの説明可能性・解釈可能性 が、とても高いです。 モデルの係数が、そのまま説明や解釈に使えます。
また、データに対して、真っ直ぐモノサシを当てるような感じのモデルになるので、外れ値は、モノサシから外れるような感じになり、見つけやすいです。 この見方は、 回帰分析系で高次元を2次元に圧縮 や 正準相関分析で高次元を2次元に圧縮 のページに紹介しています。
「等質性」という言葉は、上記以外でも使われています。以下のようなものがネットだと見つかりました。
ネットで「等質性分析」を検索すると、「等質性分析は、コレスポンデンス分析と同じもの」という説明が、かなり見つかりました。
分散分析 には、「各グループの分散は、同等とみなす」という前提があります。
この前提が成り立っているかを調べる検定は、 「等分散性の検定(ばらつきの違いの検定)」ですが、これを「等質性の検定」と呼んでいる資料が世の中にはあります。
「一般化等質性分析による質的データのための尺度構成法」 土屋隆裕 著 土屋隆裕 1997
博士論文です。国立国会図書館のデジタルコレクションで一般公開もされています。
https://dl.ndl.go.jp/pid/3158293/1/1
心理学の研究では、質的データについて、尺度の構成(定量的なデータにする)が重要ということを最初に述べてから、一般化等質性分析を提案されています。
等質性分析や一般化等質性分析は、量的変数でも質的変数をダミー変換したものでも使える方法ですが、
この論文は、特に質的変数から尺度を構成する方法として、この方法を紹介しています。
・従来の尺度構成法は、
ダミー変換したデータの主成分分析、
数量化V類、
コレスポンデンス分析
・等質性分析とは、線形和で定式化したモデルの分析の総称で、「等質」とは、サブセットの係数が皆同じになること。
完全に等質なモデルは現実にはないが、モデルは等質に近くなるように最適化されて作られる。
回帰分析、
判別分析、
主成分分析、
正準相関分析は、等質性分析の一種になる。
・一般化等質性分析は、等質性分析の式の、さらに線形の和で作られる式
「多変量データ解析法 理論と応用」 柳井晴夫 著 朝倉書店 1994
正準相関分析の章で、等質性分析を正準相関係数の求め方のひとつとして紹介しています。
モデルの係数の分析方法としても、等質性分析を説明しています。
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