SPCは、Statistical Process Control(統計的工程管理)の略です。 統計学 を利用する点が特徴です。 サンプリング の方法や、 平均値 や 工程能力 を尺度として使うところに、統計学の考え方が入っています。
統計学を使うこともそうですが、 グラフを多用する点も、SPCの特徴です。 「工程の監視」や、「工程の見える化」の方法とも言えます。
SPCの有名な道具に QC7つ道具 がありますが、これらも統計学やグラフを利用しています。
尚、管理図による工程管理の部分だけが「SPC」と呼ばれることもありますが、 このサイトでは、「SPC(統計的工程管理)」を文字通り解釈して、問題解決の手段等も含めて「SPC」としています。
SQCは、Statistical Quality Control(統計的品質管理)の略です。 SPCは、管理図に軸足を置いたものを指すこともあるようですが、 SQCとSPCは基本的に同じものです。
工程では、何かが起きれば対策に追われることになります。 対策に追われるような状況は、「火消し」と呼ばれます。 「火消し」を頻繁にしなければいけないような状況は、 「モグラたたき」と呼ばれることがあります。
「SPCは、火消しの頻度を減らす方法」と言っても過言ではないと思います。 定常時の工程解析 、 異常状態の工程解析 、 改善活動 、 品質工学 があります。 これらの方法を実際に使う時に、データを見る必要があり、そこで統計学を使います。
DMAICやQCストーリー 等を使いながら、 改善活動 を積み重ねることによって、 問題の起きにくい工程にしていきます。
改善ができたら、 標準 にまとめて、他の人でもできるようにまとめておきます。
「工程の変化の影響を、製品が受けにくくなるような条件を探そう。」とか、 「製造を始める前に、設計段階で火が発生しにくい状態を把握し、制御できるようにしておこう。」、 という発想もあります。 このような発想は ロバスト設計 と呼ばれ、 品質工学 の中で検討されています。
品質工学は、SPCとは別物として扱われることがあります。 しかし、 統計学 を積極的に使いますので、品質工学はSPCの一手法としての一面を持っています。
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