工程能力は、工程の能力を評価する尺度です。 この値が大きい程、不良が発生しない安心な工程です。
工程能力は、同じ製品を作り続けている時に、工程の安定性を評価することができる尺度です。
類似の尺度がいくつかあります。基本的な考え方は同じです。 キチンとした定義は、「Cp」、「Cpk」、「Pp」、「Ppk」で調べられます。 以下は、イメージ作りのための説明です。
上限値があって、その値より大きな値を不良品にしている工程の場合、工程能力は、
「(上限値 - 平均値)/ (3 * 標準偏差)」
です。
「上限値と平均値の間に、標準偏差の3倍が何個入るのか」という尺度です。
この値が高いということは、「不良が発生しにくい安定した工程」と言えます。
上記の工程能力の場合、工程を改善する(工程能力を高くする)方法は2つあります。
「上限値を高くする」 でも、工程能力は高くなりますが、これは工程の改善とは言えません。 顧客次第で決まる要素なので、工程の担当者ではなく、顧客と交渉する担当者の分担になります。
「標準偏差を小さくする」を、一番やりたい事が多いと思います。
誤差 として普段見ているものを、解析対象にしますので、 測定の誤差 、 誤差の原因 、 誤差の伝播 等、丁寧に見ていく必要があります。
工程能力の計算は、平均値や標準偏差を使いますので、 平均値と標準偏差の注意点 がそのまま当てはまります。
ただ、 正規分布の理論のロバスト性 がありますので、キレイな正規分布をしていなくても、ある程度まとまった分布をしていれば、工程能力の値は参考になります。
工程能力の計算で、平均値や標準偏差を使うという事は、n数も重要になって来ます。
n数が多い時は、あまり問題になりませんが、短い期間のデータを使う場合は、 標準偏差の信頼区間とn数 の考え方が必要です。
様々な理由によって、分布の仕方が、時期によって違う事がありますので、 「○○年の工程能力」といった感じで、計算に使うデータの期間は、明確にしておく必要があります。
そうしておかないと、その数字を使った判断があいまいなものになってしまいます。
R-QCA1 では、 管理図 とセットにして、工程能力の分析ができるようにしてあります。
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