システム思考(システムの構造モデル) は、「あれがああなって、これがこうなって」と、頭の中だけで進めるより、 図にしてみて、それらの関係を矢印や棒線でつなぐ方が、速く深くまとまるようです。
こうした図の作り方は、大きく分けると、木構造(ツリーモデル)、ネットワーク構造(ネットワークモデル)の2種類を使い分けます。
木構造はネットワーク構造には、共通点があります。
グラフは、ノード(枠)とエッジ(線)をつなげて作るものが多いです。
ノードの部分は、みんな違うもので、 エッジの部分は、「原因と結果の関係がある」という風にして、同じ意味になっている手法が多いです。 こういう手法の場合は、エッジは、ただの線か、矢印にして使います。
マインドマップや特性要因図は例外で、ノードはエッジの接続部分としての意味で使っていて、エッジをみんな違うものにして使います。
圏論(カテゴリーの理論) や システム思考 は、ノードとエッジの両方を使うようになっていて、エッジはノード間の関係式が入ります。
木構造とネットワーク構造に共通のこととして、それぞれの枠に入るものは、単語か単文のどちらかです。 それ以上、長い文字列にならないようにするのがノウハウです。 長くなる時は、分解した方が、アイディアを広げやすくなります。
単語の場合は、単語のつながりが機能などの意味になっているようにします。
「中心と端と、その中間がある」、「上位、下位がある」といったものを表す時に適しています。 なぜなぜ分析、特性要因図、系統図、マインドマップ、 オントロジー 、 ピラミッド構造 などで使われます。
下図でオレンジ色の部分に、「解明したい事」、「達成したい事」、「結果」、「結論」、「提言」といったことが入ります。 青色の部分に、そのための手段、理由、根拠、といったものが入ります。
グラフの見た目だけに着目すると、木構造は、ネットワーク構造の一種です。 しかし、木構造は、根元(ルート)の部分と、その他の枝葉では、入るものの種類が違うので、別物と考えることもできます。
木構造の図は、内容が同じでも項目の並べ方に違いがあります。
並べ方の違いで考えやすさが変わります。
中心から放射状に広がるような場合は、様々な観点で自由に発想したい時に向いています。
上から下や、左から右に広がるような場合は、横や縦の並びが同じものについては、内容の粒度を同じにしたり、 MECEな分析 にしたい時に考え易いです。
木構造の図は、エッジの意味が皆同じなら、表形式にしても、内容が同じになります。
表形式にすると、狭い面積でもたくさん書けるので便利です。
なぜなぜ分析や系統図は、表形式を使うことが多いです。
ノードとエッジのどちらかだけを使うのなら、ノードではなく、エッジに項目の内容を書いても内容が同じになります。
エッジに書くようにすると、項目間をつながったものとして考え易いようです。
特性要因図やマインドマップは、エッジに書く方式になっています。
なぜなぜ分析、特性要因図、系統図、マインドマップ
、
ピラミッド構造
、
FTA、FMEAの違いは、下表です。
ロジックツリーは、文献によって内容が違い、狭義のものと広義のものがあります。 狭義のものは、系統図と同じものを指しています。 広義のものは、木構造で上から下や、左から右に広がるタイプのものは、すべて指しています。
多変量解析と結び付ける時は、 決定木 や、 パス解析 、 LiNGAM 等が当てまります。
ネットワーク の構造は、対象がフラットな関係の時に適しています。 システム思考 、 連関図 、 概念分析 、 圏論(カテゴリーの理論) 、 業務フロー 、等があります。 オントロジー は、こちらで表現した方が良いこともあります。
木構造の場合、中心から広がるか、中心に向かっているか、のどちらかになっている図として作られます。 一方、ネットワーク構造では、中心がないので、図の全体的な作り方だけでは、わかりません。 何からの向きがある時は、矢印を使う場合があります。
矢印の内容は、因果(原因と結果)や、物や情報の流れ(入力と出力)があります。
ネットワーク構造では、因果関係に循環があるようなケースも表現できます。
ネットワークグラフ
のページにもありますが、ネットワーク構造も表で表すことができます。
表形式のネットワーク構造は、多変量解析と結び付ける時に役に立ちます。 一方、木構造と違って、表形式のネットワーク構造は、考察がしにくいので、分析のツールとしては使いにくいです。
ネットワーク構造を多変量解析と結び付ける時は、 グラフィカルラッソ や、 アソシエーション分析 等が当てまります。
有向グラフになるデータの構造 にありますが、向きがある場合、データの意味、多変量解析の手法、矢印の向きの3つの関係は、場合によって違います。