マインドマップは、木構造で概念(言葉)を整理していく図法の一種です。 見た目は特性要因図と似ています。 やりたいことの手段を検討する方法として紹介されることが多いので、使い方は、系統図と似ています。
特性要因図、系統図と異なる、マインドマップの特徴は、以下のようです。
多くの図法では、ノードが単語ではなく、文章が入っていることもあります。 単語の場合は、名詞だけの場合が多いです。
マインドマップは、エッジの一本ずつが単語になっていて、名詞以外の動詞や形容詞なども使います。
なぜなぜ分析をする時のノウハウとして、ひとつのノードは単文にすることや、理由と結果をひとつのノードに一緒に書かないことがあります。 これは、他の可能性を考えやすくする工夫です。
マインドマップは、この工夫を極限まで進めている感じです。
マインドマップは、絵や色を多用します。 これによって、印象に残りやすくしたり、アイディアを出しやすくします。
プレゼン資料などでも、言葉だけで説明したものよりも、絵や図が添えて合った方が、相手に伝わりやすいですが、マインドマップは、その点が徹底されています。
ひとつ方向に広げることにもメリットもありますが、マインドマップは、全方位です。 こうすると、まったく異なる観点を出しやすくなる感じです。
MECE(抜けもれなく、網羅的)でアイディアを出す時には、ひとつの方向に広げた方が筆者は考えやすいです。 横並びになっていると、「〇〇の場合と、〇〇ではない場合」、「パターンとして考えられるA、B、C」というように整理をしやすいです。
「折れ線グラフ」や「有向グラフ」のような手法は、自由に人に教えることができますが、 マインドマップについては「公認」という仕組みがあるようです。
「マインドマップ最強の教科書 脳の可能性を引き出す実践的思考術」 トニー・ブザン 著 小学館集英社プロダクション 2018
マインドマップの開発者による解説書です。
もともとは、頭を効率的・効果的に使うためのノートの取り方として、研究して作ったものだそうです。
似た図と混同されることがあるが、それらの図法では、ひらめきが得られにくい、としています。
スパイダー図:色やイメージを必ずしも使わない。線が直線的で細い。
ピラミッド図:階層に方向があり、自由に考えにくい。
コンセプトマップ:キーワードではなくフレーズを入れることがあり、単語の持つインパクトが失われる。
フィッシュボーン図(特性要因図):階層に方向があり、モノクロで直線的な図
サンバースト図:色は使うがイメージは使わない
「デジタルマインドマップ超入門」 金子正晃 著 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2014
今は、マインドマップを作るためのアプリが選ぶに困るほどたくさんあるそうです。
デジタルのツールを使うと、手描きでは大変だった作業が簡単になります。
また、写真を使ったり、送信したりなど、マインドマップの使い方が広がります。
「マインドマップ問題解決 「らくがき」で劇的に身につくロジカルシンキング」 高橋政史 著 ダイヤモンド社 2009
主題からはマインドマップの解説書かと思ったのですが、実際の内容は副題の法で、ロジカルシンキングの解説書として書かれています。
マインドマップは、アイディアを整理する最初の方で使い、整理できて来て解決策を考える段階では、一方向で言葉だけの木構造を使っています。
「メッセージ」ができるのがロジカルシンキング。
この本の「問題解決」は、解決策を作るところまで。また、
問題解決と課題達成
と分けた場合は、課題達成に相当するのが、この本の対象。
「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」 池田暁・鈴木三紀夫 著 技術評論社 2007
ソフトウェアのテストの内容を決める時に、ベテランは仕様書の行間も読んで、適切な内容を決めることができるが、
新人は仕様書の裏返しのようにして内容を決めるため、必要な項目が抜け落ちることをテーマとしています。
マインドマップを使って、そのソフトウェアがどのように作られているのかを図解することで、新人でもベテランのような考え方ができるようになる、としています。
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