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環境問題で重要なのは、 大きくは、世界的な環境対策のための合意形成、 小さくは、 リスクコミュニケーション のような話です。 これらには、立場の相違や利害関係のある中で、「共存」するための理論が必要です。
筆者は、共存のための意思決定論は、 「バランスの良さ」が尺度になると思います。
制御工学 が目指すのは、制御が可能であることや、出力が安定することです。
また、 品質工学 が目指すのは、品質のばらつきの低減です。 いずれも、「安定」を、「最適」と考えています。
単にバランスの良さを求めるだけなら、陰と陽の中間を探すような考え方で良いと思います。 しかし、少し欲を出して、「良いバランスが保たれる」や、「崩れにくい」、ということまで求めるのなら、 「安定性」がキーワードになります。
「安定」とは、数学的には、不動点や、 アトラクタ が存在することです。
バランスの良さを目指す考え方は、大昔から東洋思想の中にあります。 具体的には、 東洋医学 や、 風水 です。
東洋流では、シンボルとなるような部分をまず押さえます。 人体なら各機能の部位ですし、環境なら目印になるような場所になります。 そして、シンボル間の流れ(情報、物質、気、等)を考えます。 流れの改善で考えるので、問題が起きている場所と、対策をする場所が違うことが普通です。
安定性の研究は、微分方程式の応用分野(
制御工学
・
カオス
、等)では、主要なテーマになっています。
下記の文献には、もう少し特殊な状況における安定性の研究があります。
「
破壊
」や「爆発」は、穏やかでない現象ですが、本の内容は穏やかです。
こういう身近な現象の研究が、未だに研究途上というのは、興味深いです。
「爆発と凝集」 柳田英二 編 東京大学出版会 2006
「藤田方方程式による爆発現象」、「生物の形態形成の凝集現象」、「粘菌の胞子形成の集中現象」、
「ブラックホールの臨界現象」を扱っています。
これらの現象には共通していることがあるそうです。
それは、「特異性の発現の話であること。」、
「特異性の発現の過程において、スケーリング則や自己相似性が見られること。」、です。
特異性というのは、数学的には「無限大」を扱う現象です。
そのため、一般的には数学的な取り扱いが難しいのですが、スケーリング則を利用して解析を進められるそうです。
2つの章では、解の安定性の議論もあります。
順路
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多様性
