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思い込みで対策してしまう原因

温度と湿度の原因分析 に詳しく書きましたが、工場で問題が起きた時に、「温度や湿度が原因」という説が強く主張される場面を、筆者は何度も経験しています。

問題解決の手順 には、現状把握、要因解析、対策立案の3段階がありますが、これらを飛ばして、思い込みで進んでしまうことがよくあります。

思い込みになってしまいやすい場面

思い込みになるのは、いくつかパターンがあります。

行動経済学 で似たような研究があります。

直近の経験の影響

昨日、昨年、等、直近の経験を基準に考えてしまうことがあります。 特に、直前に起きたことが、とても良い事や、とても悪い事の場合、それが起きやすいです。

こういった人の特徴は、 応用行動分析学 で研究されています。

現状把握として、長目の期間でデータを見て、「今はどういう状況なのか」と考えると良いです。

以前から思っていた仮説の影響

以前から何となく思っていた仮説があり、実際に悪いことが起きると、他の仮説の可能性を考えずに、「その仮説に違いない」と思いやすいです。

「温度や湿度が原因かもしれない」は、これの一種です。

論理的には正しく聞こえる理論の影響・象徴的な事例の影響

言葉の上では、もっともらしく聞こえる理論があったり、印象に残るような良い事や、悪い事があると、問題の原因も同じと思いやすいです。

そのような理論や事例は本当だとしても、原因のすべてと考えて良いのかは、確認がいります。

思い込みによる行動が必要な時

「思い込み」と書くと、良くないもののように聞こえますが、 ヒューリスティクス は、咄嗟の判断が必要な時や、緊急事態の初動では、とても重要です。

初動としては、その時に最善と考えられる行動をして、その後で考える余裕が出て来た時には、思い込みにならないように、現状把握、要因解析、対策立案と末埋めるのがベストなようです。




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