分析哲学は、21世紀の哲学で主流と言われているようです。
伝統的な哲学 は、このサイトとは遠い話ですが、分析哲学となるとそうではなく、身近な社会問題やビジネスの現場でも役に立つ学問になっています。
なお、このページの内容は、筆者が学んだ範囲での理解と仮説をまとめたものです。
哲学には、長い歴史があります。 その中には、いろいろな流派があります。 分析哲学については、その流派のひとつと考えるよりも、根本的な立場が違うものと考えた方が良いようです。
分析哲学の側から見れば、伝統的な哲学で先人がして来たことは、多様な考え方の例になります。 その意味で、分析哲学は、伝統的な哲学を含むものになっています。
一方、伝統的な哲学の側から見れば、分析哲学の立場は、究極を目指すことにこだわらないので、あり得ないものかもしれません。
分析哲学も伝統的な哲学も、「〇〇とは何か?」という風に問いを設定して、それに対して答えを出そうとする学問になっている点は同じになっています。
「〇〇とは何か」ということに対して、何をどのように考えたのか、どういう結果を出したのかに注目します。
伝統的な哲学では、究極の答えという思うものに行き着くまで、とことん考えます。 「誰の言っていることが正しいのか?」、「誰の言っていることが一番正解に近いのか?」と言う風に考えます。
伝統的な哲学には、「究極の答えがどこかにある」という前提があります。 物理学が、分子、原子、素粒子、と言う風にして、物質の究極の姿を突き詰めていくことと似ています。
一方、分析哲学は、「分析」という名前にも表れていますが、「〇〇とは何か」と考えること自体を中心にしています。
究極の答えと思うものに行き着いても良いのですが、必ずしも行き着くことを重視しないです。 そのため、ある程度の時間まで考えたら、そこまでで成果とすることもあります。
分析哲学には、「究極の答えがどこかにある」という前提がありません。
分析哲学は、 概念分析 や システム思考 の一種になります。 また、 現状把握 の方法になります。
ひとりで分析哲学的な思考する時は、「自分はどう考えているのか?」、「わからないところはないか?」というようにして、自分の頭の整理をするための方法になります。
複数の人で対話を通して思考する時は、多様な考え方を知ったり、自分だけではできない部分に気付いて頭の整理をするための方法になります。 多様性 を大事にして、また、多様性が活きて来るための道具になります。
認知の方法のひとつに アナロジー があり、アナロジーをするには抽象化が必要です。
分析哲学では、抽象化を積極的に行いますので、アナロジーを積極的に使う時の参考になります。
「分析哲学入門」 八木沢敬 著 講談社 2011
分析哲学とは、概念分析。「〇〇とは何か」という事を理屈で説明する。
この本に出て来る〇〇は、「ある」、「知っている」、「言っている」、「心」、「かもしれなかった」、「同じもの」、「物」、「数」
「「問い」から始まる哲学入門」 景山洋平 著 光文社 2021
「問い」とは何かから始まって、「ある」、「実在」、「私」を問う形で構成されています。
哲学の基本中の基本のアプローチになっている「問う」というところをまず明らかにして、その後で、哲学でずっと議論されて続けて来た対象にアプローチしています。
「哲学はこう使う 問題解決に効く哲学思考「超」入門」 堀越耀介 著 実業之日本社 2020
企業でも新しいことを考えるための手段として、哲学的な思考を取り入れているところが増えているそうです。アップルやグーグルでは哲学の専任者も雇用。
ステップ1:考えたいテーマを決める。ステップ2:疑問文にする。ステップ3:問いを派生させていく。
1:定義・意味を問う、2:区別し関連付ける、3:慎重に一般化する、4:隠れた前提や理由、判断基準を疑う、5:思考実験を使う、6:例・判例・類比を使う
言葉と言葉の間にどのような関係があるのかを考えたり、言葉自体の意味を改めて考えたりします。
順路
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