環境問題を未然に防ぐためには、環境に影響があることを実施する時に、 その影響度を評価することが必要です。 一口に「環境影響評価」と言っても、分野によって違いますが、 このサイトでは、それらを包括的にまとめることを試みています。
規模の大・中・小によって、いろいろな環境影響評価が実施されています。 大が土木工事や化学物質リスク、中が工場管理、小が工業製品です。
土木工事の環境影響評価は、環境アセスメント(environmental assessment)」とも言われます。 アセスメントとは、「評価」のことです。 土木工事とは、宅地・道路・ダム等を作ることで、大規模に自然に手を加えます。 この場合、日本では環境影響評価の実施が法律で定められています。
ヘップ は、ここの分類に含まれます。 また、環境の見方としての「 風水 」や、「 アメニティ 」は、ここの分類です。
化学物質リスク の評価は、物質毎に毒性の調査や、地球規模の影響調査が行われています。 REACH でも重要視されている評価です。
ISO14001 に関わると、「環境影響」を把握する必要がでてきます。 FMEA に近い手法が使われることが多いようです。
工業製品の環境影響評価として、 LCA があります。 この評価は、 環境品質 と密接に関わります。
このサイトでは、「環境影響評価」と「環境評価」という2つの言葉を使い分けています。 環境影響評価は、 ヒトから環境へ を評価するもので、環境評価は、 環境からヒトへ を評価するものとしています。
ここからは、ややこしくなりますが、 環境影響評価の中には、環境評価がセットになっているものと、そうでないものがあります。 環境評価をセットにする時は、ある範囲の環境を評価(環境評価)し、 そこに対しての行為の影響を評価(環境影響評価)するという2段構えになっています。
一概には言えませんが、 ヘップ のように大規模な環境影響評価では、環境評価がセットになっています。 小規模なものでは、セットにしていません。
「環境生態学入門」青山芳之 著 オーム社 2008
環境影響評価や、環境保全がコンパクトにまとまっていると思います。
「ISO14000のための環境影響評価」 市川芳明・山田賢次 著 日経BP社 1999
ノウハウ的なことも含め、易しく解説しています。
「都市の風水土 都市環境学入門」 福岡義隆 編著 朝倉書店 1995
都市にターゲットを絞った
環境学
です。
風水思想はかなり合理的な考え方でできているので、
環境アセスメントに
風水
による見直しを入れることを提言しています。
「自然環境の評価と育成」 大森博雄・大沢雅彦・熊谷洋一・梶幹男 編
東京大学出版会 2005
タイトルからは、わかりにくかったですが、内容は環境保全です。
「自然環境学とは何か」が冒頭で延々と書かれています。
自然環境と、生態系と、人間の3者関係が書いてあるのですが、この種の本はあまりないように思います。
「生態系を破壊しないような人為的なインパクトを閾値以下にしよう。
いろいろな場面での閾値を見つけて行きましょう。」という考え方が出てくるのですが、
そんな都合の良い閾値があるのかが疑問です。(
筆者の想像ですが、
化学物質リスク
の分野で、閾値による毒性の管理ができない物質が知られているため、
閾値の難しさを考えてしまうことと、
複雑な自然環境では、仮に閾値があっても安定しないと思うことが理由です。)
「水辺の環境学 −生き物との共存」 桜井善雄 著 新日本出版社 1991
長い年月のフィールドワークに裏打ちされた、広く深い見識の本でした。
「自然界の生物にとって好ましいものは、人間の眼にも好ましく映る」
、「多様性 ・・・ 単純化と画一化をすすめる工学の考え方とは対立するもの」
とありました。
当サイトは、
環境と品質
がテーマなので、
対立する両者を扱っています。興味深く読みました。
水生植物の浄化作用について。
水辺とは、人間と自然の境界領域と言えるのかも知れません。
そういった考えが、根底にあるような感じでした。
「どうすれば環境保全はうまくいくのか 現場から考える「順応的ガバナンス」の進め方」 宮内泰介 編 新泉社 2017
環境保全がうまくいかない原因として、そもそも自然現象のすべてを把握できないのに、
完璧な情報と完璧な計画で進めようとすることに無理があるとしています。
そのため、重要なのは順応的に変化させていく仕組みが必要です。
第一に必要なのは、複数の目標、複数の手法、複数の制度を並行させること。
順路 次は 環境影響の尺度