モノの振舞いのミクロな部分を見ていこうとすると、原子や分子を見ていくことになります。
分子や結晶には対称性があり、これを数学的に扱うツールとして、 群論 が使われます。
「コンピュータ上の結晶成長」 伊藤智徳 責任編集 共立出版 2002
CD-ROM付きです。
融液成長・CVD成長・エピタキシャル成長という半導体分野の有名な手法を例にして、
原子・分子のシミュレーションの様々なエッセンスをコンパクトにまとめています。
この本のシミュレーションが、
工業分野の実戦的な場面にどの程度食い込めるのかをチェックすると、
さらに面白く読めるかもしれません。
筆者の最初の会社は、半導体の結晶成長をしている会社でした。
筆者自身は結晶成長の直接的な担当ではありませんでしたが、
原子のシミュレーションは筆者が大学院で学んだことでしたので、そういう点で面白い本でした。
「コンピュータ・シミュレーションによる物質科学―分子動力学とモンテカルロ法」 川添良幸・三上益弘・大野かおる 著 共立出版
分野の体系を学ぶことができます。専門書ですが、読み物風に書かれています。
「化学工学における 分子シミュレーションの活用 : 基礎と応用」 分離技術会 編 分離技術会 2006
「計算科学とは」から始まります。
この本での「計算科学」は、分子力学、分子動力学、
モンテカルロ法
、分子軌道法です。
応用として、相平衡、吸着、膜分離、触媒の研究が解説されています。
「ガラス化学の基礎と応用」 作花済夫 著 内田老鶴圃 1997
ガラスについて、評価・加工・理論等を様々な視点から書いています。
研究方法として、分子軌道法や分子動力学法が紹介されています。
「物質の量子力学」 岡崎誠 著 岩波書店 1995
量子力学を物質の科学に応用するための入門書です。
シミュレーションの本とは違います。
「電子・物性系のための量子力学 デバイスの本質を理解する」 小野行徳 著 森北出版 2015
量子力学と古典力学で同じところと違うところについて、数式から丁寧に解説しています。
「密度汎関数法とその応用」 菅野暁 監修 里子充敏・大西楢平 著 講談社 1994
密度汎関数法の専門書です。
研究室に入る前に、指導教授に紹介していただいた本です。
「固体電子構造」 藤原毅夫 著 朝倉書店 1999
固体の密度汎関数法の専門書です。
藤原先生の研究室とは、大学院時代に、毎週、一緒に議論する時間を持たせていただきました。
「銅・銅合金」 日本伸銅協会 編 丸善出版 2012
銅のマテリアルフローによると、日本はリサイクル銅の輸出をしている国。
電線、伸銅品、その他の割合は、9:9:1。
全体的には、銅・銅合金の加工方法の話が多いです。
「よくわかる最新「銅」の基本と仕組み」 大澤直 著 秀和システム 2010
銅の物性物理的な話が多いです。
溶接も少しあります。
「銅のはなし」 吉村泰治 著 技報堂出版 2019
銅の歴史、性質、用途が網羅的に紹介されています。
「トコトンやさしい圧延の本」 曽谷保博 監修 日刊工業新聞社 2015
鉄の圧延が中心ですが、銅、アルミ、プラスチックも紹介されています。
圧延は、高温にしたり強い力をかけるため、エネルギーが必要。
均質な圧延には、ITによる制御が欠かせない。
圧延は、単に材料が薄くなるだけでなく、材料のミクロな構造も変わる。
その変化を利用する技術にもなっている。
順路 次は 四元素説と化学