物質は原子からできていますが、 温度が高い時(=エネルギーが高い時)は、激しく動き回り、低いと動かなくなります。 ちなみに、温度によって、固体・液体・気体と状態が変化するのは、原子の動き方と温度の関係が原因です。
高い温度から、急に冷やして固体にすると、 乱雑に動き回っている原子を、強制的にその場所でストップさせるので、 原子が乱雑に並んだ固体ができます。 これを非晶質やアモルファス、あるいはガラス構造といいます。
高い温度から、少しずつ冷ましていくと、原子は一番居心地の良い場所 (エネルギー的に最適な場所・エネルギーが低くて安定している場所)に落ち着きます。 この状態は、原子が規則的に並んでいます。 つまり、結晶の状態になっています。 こうやって、結晶を作るのが、「焼きなまし法」です。
シミュレーション で行う焼きなまし法は、 シミュレーティッド・アニーリング(Simulated Annealing)とも言われます。 直訳すると、「模擬焼きなまし法」です。
模擬焼きなまし法とは、実際の焼きなましを真似る方法です。 ”温度”とみなせるものを式の中に作り、 それを操作することによって、最適値を見つけます。
模擬焼きなまし法は、 分子動力学法 の中で、本物の焼きなましのシミュレーションをする時に使われます。 また、 模擬焼きなまし法の数理だけを抜き出して、 数理計画法 で、最適問題を解く時の方法としても使われます。
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