時系列分析 の特徴のひとつに、季節性(周期性)を扱う点があります。
下のグラフは、季節性の例です。
夏場は低く、冬場は高いです。
季節性が扱える具体的な方法としては、 SARIMA 、 三重指数平滑法 、 スペクトル解析 、 Prophetなどがあります。
これらの手法を大きく分けると、局所モデルと大局モデルに分けられます。
このページは、局所モデルと大局モデルの違いです。
上の例のような、カーブの繰り返しがあるようなデータは、局所モデルと大局モデルの両方で扱えます。
大局モデルが扱えるデータは、局所モデルでも扱えます。 違いが出るのは、局所モデルだけが適しているデータの場合です。 以下に2つの例を説明します。
下のデータは、4年分のデータです。
隣り合った年では似ていますが、離れた年は、あまり似ていません。
局所モデルの、SARIMAや、三重指数平滑法は、1周期前のデータとの関係だけを式に取り入れるので、このようなデータでも扱うことができます。
現実のデータでは、季節性があると言っても、だんだん季節性の特徴が変化している場合があります。 局所モデルは、そのような場合にも使えるモデルです。

上のデータは、一見すると、ランダムな変化を表していて、季節性がないように見えます。
しかし、下のようにして、同じ月のデータが比較できるようにグラフを変形させると、同じ月では、年が違っていても似ていることがわかります。
隣り合った月では、同じ年だとしても、まったく似ていません。
局所モデルは、1周期前のデータだけを参照するので、このようなデータでも扱うことができます。
ここまでの説明では、「大局モデルが扱えるデータは、局所モデルでも扱える。しかし、逆は成り立たない」という説明でした。
さらに加えると、「両方のモデルで扱えるデータは、大局モデルの方が良い」です。 大局モデルは、繰り返していることの特徴を定量的にわかりやすいです。
物理的な現象としては、振動や回転によってできるデータがあります。 このようなデータは、規則的な繰り返しがあります。
地球の自転や公転は正確な回転なので、自転が関係する1日ごとのデータや、公転が関係する1年ごとのデータは、規則的なデータになりやすいです。 ただし、それに営業活動や社会変化などが加わっている場合は、必ずしも規則的な繰り返しにならなくなります。
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