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データサイエンス教室

管理会計

企業の外部の人が、その企業の財務状態を見るための制度として、 財務会計 があります。 財務会計は、期毎の集計であったりすることもあり、 企業内の分析や、意思決定のツールとしては、不足しています。

企業内で役に立つツールとしては、管理会計があります。

管理会計でも財務は重要ですが、管理会計には会社を良くするための様々なツールが詰め込まれています。 管理会計は財務会計と違って、内容が決められていないため、 人によって、「管理会計」に含んでいるものが違っています。 このページには、Beyond Budgetingと、Activity-Based Costingについて書きましたが、 財務会計バランススコアカード経済性分析制約条件の理論環境管理会計 も管理会計に含まれることが多いです。

Beyond Budgeting(BB)

Beyond Budgeting(BB)は、「超予算」と訳される事が多いようです。 旧来の予算制度は、予算作成に膨大な手間暇がかかったり、 事業の柔軟な変化に対応するのが難しいことを問題視して考えられたものです。

まだ発展途上のようで、 目標を「他社との差」等を使って、相対的な目標にすることや、 非財務的な指標を使ったり、タイムリーな情報を使うこと等が提案されています。

予算不要論もあり、実際に予算の作成をやめた企業もあるそうです。

Activity-Based Costing (ABC)

製造間接費を原価に反映させる時は、割り勘勘定に近いものであったのですが、 実際の活動に結び付けることによって、より実態にあった計算ができるようにしているようです。 これを、Activity-Based Costing (ABC:活動基準原価管理)と言います。

ABCを元にして改善を進めるのが、 Activity-Based Management(ABM:活動基準管理)で、 ABCを元にして予算を作るのが、 Activity-Based Budgeting (ABB:活動基準予算管理) と言うそうです。



参考文献

ドラッカーと会計の話をしよう」 林總 作 横山アキラ 画 中経出版 2011
ドラッカーは 経営学 だけでなく、会計についても深い考察をしていたという所から始まります。
---利益」と「儲け」---
・利益 = 売上と費用の差 → 恣意的な調整ができるので、データとして信用できない。
・儲け = キャッシュフロー(現金) → データとして信用できる。
・価値を作り出すことが利益を生む。
・利益 = @事業の判定基準、A将来のリスクに備える保険、B資金調達の誘因
---コストについて---
・製品には、寿命があるから、寿命の中のどの時期なのかを考えて、コストをかける重みを考える。
コストは、無駄に使われたのか、利益を生むのに使われたのかを見極める。
・損益計算書の欠点 : お金の使い方がわからず、使った金額だけわかる。
・原価 = 材料の仕込みから現金代金を回収するまでの通しコスト。このような原価計算ではプロセス全体を見る。 ABC原価計画で実現できるようになった。
従来の原価計算は生産時のコストのみ。これは肉体労働が製造業のコストの主体だった時に有効だった。
---価格について---
製品の価格は顧客が決める。 顧客が妥当だと思う値段で、買ってくれる。
売り手は自分のコストだけを考えて価格を決めたがるが、 顧客は買う事に伴うプロセスのコストも支払っている。


管理会計がうまくいかない本当の理由 : 顧客志向で売上を伸ばす新アプローチ」 金子智朗 著 日本経済新聞出版社 2011
管理会計の問題を挙げつつ、経営全般について、いろいろとコメントしている本です。 企業価値CSRマーケティング に関わる内容は、それぞれのページに振り分けました。 このページの下記は、それら以外の内容について。
・コストは、売上の源泉。コストの削減では、企業は成長しない。
・人は評価基準通りに行動する。
・知的な仕事には、意思決定と行動の速さが必要なので、大きな会社は不利。


ケーススタディ戦略管理会計 :MBAアカウンティング」 辻正雄 編著 中央経済社 2010
・1章がレピュテーション・マネジメント(reputation management:評判の管理)になっていて驚きました。 この本では、 CSR企業価値 を増大させる活動と考えています。 管理会計の手法の、バランススコアカードや戦略マップは、お金以外の無形の資産も対象にしているので、 管理会計はレピュテーションと関係があるそうです。 RepTrakによるレピュテーションの評価基準は、 製品・サービス、革新性、パフォーマンス、リーダーシップ、ガバナンス、市民性、職場の7つです。
・原価企画に 価値工学(VE) が入っています。
・環境管理会計には、 MFCAやLCC の他に、環境予算マトリックスというのも入っています。
リスクマネジメント 、報酬システム、業績評価にも触れています。


「管理会計の基本」がすべてわかる本」 金子智朗 著 秀和システム 2009
・財務会計は、意思決定には役に立たないと強く主張して、管理会計の必要性を力説しています。 財務会計は、港で待つ貴族のための会計
・財務会計は、年度毎に利益をまとめるタテの視点。管理会計は、項目毎に年をまたがって利益をまとめるヨコの視点。
・「費用」は、キャッシュアウトがその年度。「投資」は、キャッシュアウトが複数年。費用とは異なる計算も必要
・投資の経済性計算:回収期間法、投下資本利益率法(ROI法)、正味現在価値法(NPV法)、内部利益率法(IRR法)
・間接費の管理が重要になって来ているが、それには標準原価計算はあまり役に立たない。
・ABC(Activity Based Costing):間接費を細かく配賦する。
・予算管理は管理できる数字だけにする。
・業績評価の話もある。


組織を活かす管理会計 :組織モデルと業績管理会計との関係性」 伊藤克容 著 生産性出版 2007
組織問題と管理会計の関係を明らかにしようとしている本です。 この本の主題とは少しズレますが、目的と手法の関係がコンパクトにまとまっていました。
・短期の利益計画作成 : CVP分析、予算編成
・利益管理の統制 : 予算実績差異分析
・原価管理 : 標準原価計算、変動予算
・短期の意思決定 : 差額原価収益分析
・長期の意思決定 : NPV、IRR
10章は、「業績管理会計による組織文化マネジメントの可能性」です。 組織文化には、「(1)標準化されていないような、あいまいで、不確定な状況でも、 社員が大雑把ながらも行動ができる。」、 「(2)組織の一体感が高まる。」、という利点があるそうです。
また、伝統的な予算管理が組織の呪縛になっているので、BBやABBは、 官僚的な組織が自律的な組織になるためのツールとして期待できるそうです。


企業価値創造の管理会計」 櫻井通晴・伊藤和憲 編著 同文舘 2007
日経PRISM が、経済性、環境性、社会性の側面から企業を測定する方法として解説されています。
戦略論には、ポジショニング・アプローチ、ゲーム・アプローチ、資源アプローチ、学習アプローチの4種がありますが、 BBは、学習アプローチに向いているそうです。
第13章は、 制約条件の理論 の紹介です。
第18章は、「CSRを配慮した原価企画」です。 社会的費用 も含めてLCCをして、このLCCによる目標原価をおき、原価低減の活動をしていくと CSR に配慮できるそうです。
この本は、政府や銀行の管理会計の章もあります。 銀行は信用リスクをコストとして会計の中に取り込むことをしています。 リスク管理 は、どの企業にもあることなので、参考になります。


意思決定のための管理会計 :財務戦略&キャッシュフロー時代に対応して」 陶山博太 著 同友館 1999
一般的な管理会計の本で、少し高度な数学が出て来るのは、 回帰分析 を使って固定費と変動費を分ける話くらいですが、 この本は、全般的に数学を使う話が多めです。 回帰分析 の他に、 相関解析データマイニングニューラルネットワークゲーム理論 も登場します。
いろいろな事が書いてある本ですが、例えば、オムロンの品質コストのリストが載っています。


管理会計を学ぶ」 溝口周二・奥山茂・田中弘 著  税務経理協会 2010
財務分析バランススコアカード 、予算管理、キャッシュフロー管理、原価管理、差額原価収益分析等について、基礎的なことをまとめています。


わかる!管理会計 :経営の意思決定に役立つ会計のしくみを学ぶ」 林總 著 ダイヤモンド社 2007
・7章で月次決算の必要性を説明
・経営者の使命は、株主価値を高めること。株主価値が、キャッシュフローを得続けるのに必要だから。
・この本の「コスト」は「原価」のこと。「費用」とは異なる。
・原価計算や中期経営計画の話が詳しめ。
・利益の計算の話は重視していない。



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