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業務フロー

製造業では、品質のばらつきを小さくする活動が重要です。 「ばらつき」なので 統計学 が役立つことが多く、 SPC(統計的工程管理) といったものがあります。

ところで、製造業では、 生産性 を上げる活動も重要です。 こちらの中でも「作業のばらつき」のように「ばらつき」に注目することもあるのですが、 業務の流れや仕組みが根本的な部分になります。

業務フローというのは、業務の流れや仕組みを表した図になります。

業務フローを作る意味

会社の中の業務の流れは、ものすごく複雑になっていて、担当者しか知らなかったり、自分の担当の部分は知っていても、 自分のインプットがどうなっているのかや、アウトプット先がどうしているのかは、あまり知らないことがあります。

業務フローを作ると、現状が見える化できます。 また、業務フローを作ることで、 標準化 も進めることができます。

業務フローの種類

一口に業務フロー、と言っても、いくつか種類があります。

業務を矢印でつないだもの

一番シンプルなものです。 新QC7つ道具 のPDPCはこの仲間です。

部門や人で列を分けるもの

会社の中で、物や情報が受け渡されていく場合は、フローの上から下へは時間の流れで、部門や人の違いを、横の違いで表現します。 組織としてどのように動いているのかが、わかりやすくなります。

同じ部門の中でも、担当者と責任者の中の流れがある場合は、さらに細かく分けることもあります。

インプットとアウトプットを明確に記入するもの

設計図と材料がインプットで、アウトプットが製品になっているなど、矢印の内容を明確にすると良いこともあります。

業務フロー分析

業務フローから問題点や改善点を見つけるための着眼点は2つあります

矢印の行き来や、インプットやアウトプットの内容に注目する

2つの部門間で何度もやりとりがある場合などが改善点になることがあります。

時間に注目する

IE手法PERT制約条件の理論 で行われる分析です。

それぞれの処理が同じ時間で進めば、次々と作業が入って来ても問題が起きないのですが、 どこか1箇所でも、時間がかかる部分があると、全体のスピードはその部分で決まってきます。 この部分を見つけることが分析の目標です。



参考文献

目標を達成する7つの見える化技術」 今里健一郎 著 日科技連出版社 2016
第2章が、「業務プロセスとプロセス改善」で、業務フローの話になっています。
・業務フロー図は、帳票類の流れを示すもの
・プロセスマッピングは、業務フロー図の中に、帳票の受け取った後に、送付先に問合せるなど、実際に行っている行動も書き込んだもの
プロセス改善は、DOA(Data Oriented Approach)で。ここDataとは、情報のことで、情報の流れを元にして、フローの問題点を洗い出す。 着眼点として、「インプットとアウトプットでデータ変換のないプロセスの排除」、 「後続のプロセスで活用されていない帳票・伝票などの排除と関連するプロセスの排除」、 「データ項目が重複している複数の帳票・伝票などの排除」、「同一の帳票・伝票などを作成するプロセス群の統一」が挙げられています。


はじめよう!プロセス設計 要件定義のその前に」 羽生章洋 著 技術評論社 2016
作業でも、問題解決でも、プロジェクトでも、すべてはプロセスとして実施できるものとして、プロセス設計を平易に解説しています。
「マジカ」という設計のツールが紹介されています。 いろいろなツールがあるものの一長一短だったのですが、マジカが一番良いそうです。 マジカでは、カード1枚について、ひとつのことを明確にしていき、それがつながるとプロセスとしてできあがって来ます。


ビジネスを可視化する業務フローチャートの書き方」 小田実 著 産業能率大学出版部 2020
産能大式フローチャートの解説書になっています。 産能大式フローチャートは、郵送の場合に郵便マークの記号を使うなど、記号の種類が細かく決められています。 モノ、カネ、情報の流れも区別して表します。
部署は、縦軸に書くようになっています。 時間の向きは、できるだけ上から下になるようにしつつも、左から右にします。


製造現場の見える化の基本と実践がよ〜くわかる本 現場改善のための実践プログラム」 石川秀人 著 秀和システム 2020
工場全体を鳥瞰する方法として、「モノと情報の流れ図」が紹介されています。
この図も業務フロー図の一種ですが、「工場全体を表す」、「モノの流れと、情報の流れを、矢印の種類を変えて表す」、「作業時間もわかる」、 といったことを重視した書き方になっていて、プレイヤーが何人といったことはわかりにくい図になっています。


プロセスマイニングの衝撃 シーメンスやBMW、Uberは、なぜ本気で取り組むのか? : 業務を根本から変革する」 ラース・ラインケマイヤー 編著 インプレス 2020
この本は、プロセスマイニングのすばらしさの解説になっていて、「プロセスマイニングとは」と言った解説がないです。
いろいろな部分から推察すると、 イベントの発生を表すデータを使って、業務のプロセスを特定する分析を、「プロセスマイニング」と呼んでいるようです。 プロセスの順番が必ずしも同じでなくても、対応できるようです。
業務フローの分析や、 IE手法 と比べると、これらの手法では、手作りで図を使ったり、ストップウォッチで手でデータを集めたりする作業が、イベントデータを使うことで、 ほぼ自動的にできてしまうところが、プロセスマイニングのすごさのようです。
イベントデータを扱う時に、「受注番号」ようなIDがイベントデータに付随していて、それをキーにしているのか、 そのようなIDは用いずに、時間の前後情報だけからフローを導き出すのかは、この本からは読み取れませんでした。



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