トップページ | ひとつ上のページ | 目次ページ | このサイトについて | ENGLISH

A-A型の分析

A-A型は、Aという見方について、要素間の1対1の関係を表しています。 多対多の分析 としては、一番シンプルです。
関係性の行列表現

A-A型は、対称行列(対角線を挟んで左右対称に数字が並ぶ)になっているかで分類できます。

対称行列の例

共分散行列や 相関行列 は対称行列です。

また、各要素の数字が「距離」(値が大きいほど関係が遠い事を表す)になっている、距離行列も対称行列です。

ちなみに、相関は絶対値が大きいほど関係が強いことを表しますが、距離は値が大きいほど遠いことを表すので、逆の性質を持っています。

ネットワーク の分野で使われる「隣接行列」の内、項目のつながりの大きさだけを見ている場合は、対称行列を使います。 ネットワークのデータの場合、一番シンプルなのは、0と1で、各要素がつながるかどうかを表している形です。 0と1以外の数字も使う場合は、値が大きいほど関係が近い事を表しています。

対称行列の分析方法

相関行列固有値解析 する方法があります。ちなみに、この方法は、 主成分分析 と同じです。

距離行列を分析のスタートにする方法には、 多次元尺度構成法 があります。

ネットワークの書き方と描き方 では、矢印のない無向グラフを使います。

なお、 自己組織化マップクラスター分析 のように、分析のスタートはA-B型でも、ソフトの内部で対称行列に相当するデータを計算するアルゴリズムが含まれている手法もあります。

非対称行列の例

ネットワーク の分野で使われる「隣接行列」の内、つながりの大きさが、項目の向きによって異なることを表す場合は、非対称行列を使います。

P(X|Y)とP(Y|X)のような条件付き確率を行列の形で集計すると、非対称行列です。

比や差による一対評価 のデータは、非対称行列になります。

非対称行列の分析方法

ネットワークの書き方と描き方 では、矢印のある有向グラフを使います。

ISMとDEMATEL は、非対称行列の分析方法です。

比や差による一対評価 のデータは、 固有値解析 をします。 ちなみに、この方法は、 AHP という方法として知られています。

A-B型からの加工

A-A型は、 A-B型 を加工して作る事ができます。 よく知られている加工方法は、A-B型の2つの列同士の組み合わせについて、相関係数を求めて、行列の形に整理する方法です。 これは、 多変量データの相関分析 で使われています。

また、 主成分分析 の計算には、A-B型のデータを共分散行列や相関行列にする手順が入っています。 あまり知られていませんが、主成分分析は、A-A型からでもスタートできます。

注意点としては、A-A型からA-B型には加工できない事があります。 つまり、A-B型のBの情報は、A-A型では使えなくなっています。

ソフト

R-EDA1 では、A-A型の分析ができるようになっています。

隣接行列をスタートにした時のネットワークグラフによる分析、 距離行列をスタートにした時の多次元尺度構成法(MDS)による分析、 相関行列や一対評価のデータをスタートにした時の固有値、固有ベクトルによる分析ができるようにしてあります。
R-EDA1 



順路 次は ネットワーク分析

Tweet データサイエンス教室