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高次元を2次元に圧縮して可視化

高次元を2次元に圧縮して可視化する方法を使うと、 サンプルの類似度の分析 ができます。

2次元にすることによって、データの様子を見ることが簡単になり、データの特徴をつかみ易くなります。 下の例は、3次元データを2次元に変換した例です。 4つのグループにサンプルが分かれていることが、 2次元散布図 で簡単にわかるようになっています。 なお、変換前のデータはもっと高次元でもできます。
k-means --> tsne

2次元マップの特徴

たくさんの列(説明変数)があるデータを 2次元散布図 を使って調べる時には、 一般的には、2列ずつの組み合わせを順に散布図にします。

高次元を2次元に圧縮して可視化する方法でも散布図を作るのですが、この散布図には、2列ではなく、すべての列の情報が入っています。

「高次元データを2次元データにする」という説明では、ピンと来ないかもしれませんが、 本来であれば2列しか表現できないはずの散布図に、たくさんの列の情報を描いてしまうのが、すごいです。

ブレーンストーミングの後に、 出てきた意見を似ているものでグループに分けてみたり、 何かのコレクションを、似ているもので近くに置いてみたりする事がありますが、 この2次元マップは、その発想に近いです。 つまり、近い場所にあるかどうかは意味があるのですが、マップ上のどこにあるのかには、あまり意味がありません。

多次元同時付置図への活用

A-B型の分析行列の分解コレスポンデンス分析 では、AとBの項目について、共通の尺度で測れるようにしますが、この尺度が多次元です。

このデータを散布図で見るための方法が 多次元同時付置図 になります。

次元削減や多様体学習の方法として

このページは、高次元を2次元に圧縮して可視化する方法としてまとめたものですが、 このページの手法は、「次元削減」や「多様体学習」の手法として紹介される方が一般的です。

次元削減の方法として

次元削減の手法として使う時は、必ずしも2次元まで圧縮する必要はなく、 中間層 として使って、モデルの計算負荷を減らしたり、モデルをわかりやすくするために使います。 この目的で使う時は、 「多少無理があってでも、高次元データを2次元データに圧縮する方法」よりも、 主成分分析 の方が、使いやすいです。

「高次元を2次元に圧縮して可視化する方法」としては、 主成分分析 よりも、「多少無理があってでも、高次元データを2次元データに圧縮する方法」の方が良いので、優劣が逆転しています。

多様体学習の方法として

多様体学習の手法としては、スイスロールのようなデータを2次元で表現するために使っています。

筆者は、製造業や工場の中のデータを扱うことが多いです。 スイスロールのようになっているデータはあるにはありますが、 多様体学習のような使い方はしないので、多様体学習の手法としては使い道が思いつかないでいます。

高次元を2次元以外に圧縮する方法の使い道

高次元を2次元に圧縮する方法 は、パラメータを変更すれば、3次元や1次元にも圧縮できるようになっていることもあります。 特に指定しなくても使える方法は、デフォルトが「2」になっています。

3次元に圧縮する場合は、次元圧縮としての使い道はあるかもしれませんが、「マップで見る」という使い方には不向きです。

1次元に圧縮する場合は、「グループに順番を付ける」という使い道ができそうですが、 なんの指標もなく、高次元を1次元に圧縮したデータは、1次元の値に意味がないので、順番を付ける使い方ができません。 それもあり、1次元への圧縮も積極的に使う用途がないように思っています。

なお、上記は、1次元の量的データに圧縮する時の話です。 高次元の量的データを、1次元の質的データに変換する方法としては、 クラスター分析 があります。 1次元にするのなら、質的データの方が使い道があります。



順路 次は 高次元を2次元に圧縮する方法

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