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対策が最初に決まっている調査

問題解決の手順 がありますが、この手順を始める前から、「対策は△△」と決まっている調査や仮説検証は、よくあります。

思い込みで対策 は、そのひとつのケースです。 思い込みで対策は、要因解析をする時の問題ですが、このページは、対策立案の時の問題です。

バックキャストによる対策立案は間違い

バックキャスト」という計画の立て方があります。

まず、最終的な状態(ゴール)を決めます。 そこから、「そうなるには」、「そうなるには」と、遡って計画を作ります。 確実に目標を達成するための方法として良く知られています。(筆者も日常的に使っています。)

要因解析 の仮説の立案で、この方法は使われます。 つまり、起こってしまった事象をゴールとして、「そうなるには」、「そうなるには」と遡る方法で、 なぜなぜ分析 と呼ばれます。

「対策はこうしたい」という気持ちが強いと、対策につながる原因、その原因につながる問題点、というようにバックキャストでストーリーを作り、 筋の通ったストーリーを作れてしまうことがあります。

問題解決の手順 の使い方としては間違っているのですが、 もっとらしく見えるため、間違いかどうかの区別は付きにくいです。

対策が最初に決まっている調査が行われる原因

対策が最初に決まっている調査があるのは、「そのストーリーを作る人が、その対策によって得をするから」、あるいは、「 他の対策になると、そのストーリーを作る人が損をするから」というのが、 理由になることが多いかもしれません。

得をするというのは、例えば、「自分がやりたい対策」の事もあります。 損をするというのは、例えば、「やりたくない調査が必要になる」などが考えられます。

ストーリーは作り変えるもの

「問題点は〇〇で、原因は××で、だから対策は△△」ということを、活動の当初から想定することは悪い事ではないです。

暫定対策として、この想定に基づいて最初に対策を実施した方が良い事もあります。

このページで、問題視しているのは、時間をかけた調査にも関わらず、自分に都合の良い対策に合わせて、原因や問題点がもっとらしく説明されている場合です。

「問題点は〇〇で、原因は××で、だから対策は△△」という当初の想定がある場合、それらが候補のひとつとして残ることはあります。 他にもっと出て来るのが、 問題解決の手順 では理想です。(QCストーリーの組み立て方




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