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混合系の直交表

混合系の直交表は、 ロバスト設計 を実現するために、 品質工学の直交表 として開発されたものです。

混合系の直交表とは

一般的な 実験計画法 の教科書に出て来る 直交表実験 では、ある列とある列の 交互作用 が、別の列に表れます。 このため、これを知らないで使うと、因子の効果と、交互作用の効果が混ざった実験結果になる可能性があります。

混合系の直交表は、交互作用の効果が特定の列だけに表れずに、分散するように作られています。 そのため、主効果の強いものの探索に適しています。

混合系は、交互作用が重要な現象を扱う時には不向きですが、 各因子の交互作用はチェックせずに、主効果だけを検討対象にしたい時には向いています。

L18

現実に可能な規模で、 パラメータ設計 を実施できる混合系の直交表として、L18が有名です。 L18は、混合系の直交表の代名詞のようになっています。

混合系の直交表は、必ず使うべきものか

品質工学には、 「 ロバスト設計 を実現するには、主効果だけを検討対象にすべき」 、という考え方があります。 そこから、さらに進んで、「混合系の直交表を使っていない実験は、悪い実験。」、「L18で実験すべき。」と説明している文献は、たくさんあります。

筆者は、「混合系の直交表を使うかどうかは、ケースバイケース」と考えています。

まず、交互作用を見ないという事は、「主効果では得られないような、すごい効果を使う」という選択肢を捨てることになる点があります。

また、 リスク管理 として、「交互作用を調べない」ということは許されないことがあります。 例えば、商品の組合せ方によっては、人体に害がある交互作用の効果が出て来る可能性がある場合です。



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