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ばらつき問題の種類

パラメータ設計 では、 ロバスト設計 によって、「ばらつき」を小さくしようとします。

「ばらつき」と言っても、大きく分けて3つあります。 顧客が感じる「ばらつき」は、イメージ的には、これらの掛け合わさったものと考えられます。

1. 製品の仕上がりのばらつき

2. 製品の使用条件による、性能のばらつき

3. 製品の劣化や消耗による、時間的なばらつき

2 や 3 の「ばらつき」の原因には、1 の「ばらつき」が含まれている場合があります。 例えば、2つの製品があって、使ってみたら性能に違いがある時には、 「同じ使用条件なら、性能は同じか?」、 「出荷時に違いはなかったのか?」、 「製品の劣化の仕方に差があるのか?」という風に、ばらつきの原因を探っていかないと、 何が主な原因なのかがわかりません。

「ばらつき問題の解決方法」のようなものを使って、一石三鳥で解決すると楽ですが、 それぞれは製品の違う側面なので、 ひとつずつ解決するしかないと思います。

顧客満足とばらつき

1 も、2 も、3 も、顧客満足に影響します。 「製品の仕上がりがバラバラじゃないか!」、という顧客不満足には、1 の対策が必要です。 また、「使用環境が違うと、性能が悪くなるじゃないか!」、という顧客不満足には、2 の対策が必要です。 「壊れた!」、という顧客不満足には、3 です。

品質工学が扱うばらつき

1 のばらつきを小さくするための パラメータ設計 には、製品自体の設計と、製品を作る側の設計 (工場や工程、製造設備の設計)のふたつのアプローチがあります。

2 のばらつきを小さくするには、製品の設計で、 パラメータ設計 を使います。 製品の設計では、1 と 2 の両方を考慮することができますが、 両者は製品の異なる性質なので、2 のための設計が 1 の観点でも役に立つとは限りません。

3 は、品質工学の方法論では扱えないように思います。 ちなみに、品質工学では時間軸を考慮することをあまりしません。

他の分野の動き

1 のばらつきへは、開発担当者による パラメータ設計 の他に、生産現場の担当者のアプローチがあります。 生産現場のアプローチとしては、 SPC(統計的工程管理) があります。 1 のばらつきを分析するには、 誤差の分離 をしていきます。

2 や 3は、主に製品の開発担当者のテーマになります。 2 と 3 は、 品質工学 とは別のアプローチで、 信頼性工学 で検討しているテーマです。


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