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データサイエンス教室

リスクコミュニケーション

リスクコミュニケーションとは、あるリスクについての、様々な立場の人たちのコミュニケーションです。 リスクの分野は、人の価値観、理解度、立場という問題に立ち入るため、 リスクコミュニケーションのプロセスが不可欠です。

企業や行政の行っているものでは、 住民説明会であったり、 SR (CSR) として行っている地元との交流が、リスクコミュニケーションの手段に当たります。

ゲーム理論 の考え方では、 「リスクコミュニケーションの実施は、非協力ゲームから協力ゲームへの転換をしている。」、と言えるかもしれません。

リスクコミュニケーションのあり方

いくつか本を見ましたが、 「確実に失敗するコミュニケーションは、説得を意図してコミュニケーションを進めること」、 「確実に成功する方法は、ない。」というのが共通した見解のようです。

リスク心理学には、「信頼」についての真摯な研究があります。 「信頼」は、重要なキーワードのように思います。

文献の中には、心理操作やテクニックのようなもので、 説明を受ける側を誘導しようとする話も見受けられます。 これは簡単に言えば、だましているだけですから、筆者としては賛同できません。。。

リスクコミュニケーションのポイント

リスク を工学的・数学的に議論するには、数字で表す(定量化する)必要があります。 リスク評価 のところで触れていますが、一般的な形は、
「リスク = 発生確率 × 影響の大きさ」
です。

しかし、 リスク認知 で触れているように、実際のリスクの感じ方と、この定義にはギャップがあります。 このギャップの取り扱いが、リスクコミュニケーションの役割のひとつだと思います。 ただし、「工学的・数学的なものが正しいから、一般市民の誤解を解きましょう。」、 という話ではないです。




多対多の分析s

参考文献

嫌悪施設の立地問題 −環境リスクと公正性」 籠義樹 著 麗澤大学出版会 2009
学位論文が元になっているので、本ですが、論文の形態です。
NIMBY(not in may backyard)や、LULU(locally unwanted land uses)と言われる、 社会的な利益はあるのに、近隣からは嫌われる施設の立地問題を扱っています。 ゴミ処理施設、等です。
近年は、分配の公正さよりも、手続きの公正さが問われるようになって来ているそうです。 しかし、両者は密接につながっているそうです。
この本は、大きく分けて2つの研究が元になっていて、まず、立地による地価の変化の研究です。 これは、 都市地理学 と、 都市経済学 を嫌悪施設に特化したような話について、 主成分分析 や、 時系列解析 をしています。
もうひとつは、リスクコミュニケーションの研究で、いくつかの事例について、 リスクコミュニケーションの過程を分析しています。 方法はシナリオの分析で、文系的な方法です。 結論としては、適度な情報公開を最初からしていかないと、不信感が生まれ、 信頼を得るために、過剰な作業が必要になること等が述べられています。


安全学入門」 古田一雄・長崎晋也 著 日科技連 2007
信頼性工学 の方法に、心理学的な要素も加えて、リスクコミュニケーションを解説しています。


リスク・コミュニケーション 相互理解とよりよい意思決定をめざして」 吉川肇子 著 福村出版 1998
心理学的なアプローチの本で、リスクコミュニケーションの研究史にもなっています。 丁寧でソフトな文章です。


最新 リスクマネジメントが よ〜くわかる本」 東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 著 秀和システム 2004
リスク管理 のためのリスクコミュニケーションが出てきます。 リスクコミュニケーションには数ページしか割かれていませんが、 具体的なコミュニケーションの内容にも触れています。 「管理」を前提にしているので、 定常時と異常発生時を分けています。


環境リスク心理学」 中谷内一也 著 ナカニシヤ出版 2003
リスク管理 には、信頼が大切であることを述べて締めくくっています。




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