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論理学

論理的な説明や、合理的な判断でないことに対しての批判は、会議の中や、ニュースの中などでよく見聞きします。

しかし、 行動経済学 では、一見、合理的な判断が、実は間違っていることの例が研究されています。 また、 リスクコミュニケーション は、"その人にとっては"合理的な事実のぶつかり合いを、どのようにしてまとめるのかがポイントになります。

論理学の歴史は古く、その知識は、議論や論述で重要です。 データサイエンス の分野では、 因果推論プログラミング を正しく行うための理論になりますし、 人工知能 の理論にもなります。

論理学では、理屈が正しいかを重視しますので、現実に正しいかどうかとは無関係に理屈が進むことがあります。 それが、パラドックスや論争の種になると同時に、"正しい理屈"の研究を発展させて来たようです。

形式論理学と記号論理学

言語による論理を扱うのが形式論理学です。 アリストテレスなど、かなり昔の人からの歴史があります。

記号論理学では、形式論理学が記号で表せます。 「記号を使う」という発明により、論理学はシンプル、かつ、体系的にまとめられるようになりました。 ただし、記号だけの話は抽象的なので、一般人にはとてもわかりにくい世界です。

古典論理学と現代論理学

古典論理学は、「〇ならば×」、というように、はっきりとした2つの物の関係を表すようになっています。

現代では、あいまいなものや、複雑なものを扱う話も出て来ています。



参考文献

論理学の全体像

論理学超入門」 グレアム・プリースト 著 岩波書店 2019
妥当性、真理関数、名前と量化表現、記述と存在、自己言及、必然性と可能性、条件文、未来と過去、同一性と変化、曖昧さ、確率、逆確率、意思決定理論、 チューリングとアルゴリズム、ゲーデルの不完全性定理、という構成で、論理学を俯瞰しています。
論理学の歴史の解説もあります。
確率を計算して、確率の高い方を選択する話や、期待値が高いものを合理的判断とする 統計的な意思決定 の話もあり、一般的な論理学の解説には内容が入っています。。


論理学 考える技術の初歩」 エティエンヌ・ボノ・ド・コンディヤック 著 山口裕之 訳 講談社 2016
1780年にポーランドで初版が発行された本の、訳本です。 かなり古い本です。 最近の分類だと、「論理学」と言うよりも、「科学哲学」の方が良いかもしれません。
人間は自然から、その理(ことわり)を学ぶ存在である。 学び方は、分析。 分析は、分解と再構成。
分析を表す方法が言語なので、言語の使い道が大事。
この本を読むと、最近の分類で論理学と言われる学問は、 言語の中にある理について、初歩的なものから始まり、高度なものを究めてきた学問のように思えて来ました。


論理学をつくる」 戸田山和久 著 名古屋大学出版会 2000
古典論理では、真と偽の2値を扱う。 これでは未来のことも、すでに決まっているような話しかできない。
非古典論理は、この限界を超えるもの。
多値論理・ファジー論理:真理値が3つ以上ある。排中律を捨てることができる。
直感主義論理:数学では直感主義でも証明が行われるので、その直感主義の論理を取り出したもの。 排中律の無制限な適用を制限する。
様相論理:古典論理に、可能性と必然性の演算子を加えたもの。


論理学講義 真に思惟することへの手引き」 村上恭一 著 成文堂 1986
形式論理学の歴史の本です。 カントやヘーゲルの弁証法が最後に来ます。


生活やビジネスのための論理学

例解・論理学入門」 弓削隆一・佐々木昭則 著 ミネルヴァ書房 2009
「議論」にも役立つ、論理学の本を目指して作られています。学生向けに、論文や採用面接での論理の作り方も解説しています。
命題論理:接続詞で作られる論理
述語論理:「すべて」と「ある」で作られる論理
演繹的な推論は絶対確実。しかし、前提が間違っていれば、推論も間違ったものになる。 日常の議論では、前提が省略されるのが普通。 前提を詳細に書き出すのは時間の無駄になるし、注目すべきところがわかりにくくなるので、省略は悪いことではない。
議論は、主張と根拠でできている。 議論の正しさを確認するには、根拠の正しさと、主張への反例の確認をする。 反論をただ受け入れたら、議論にならない。 反論と再反論を重ねることで、議論は厚みを増す。
主張の内容だけだと、相手はイメージできないので、「例えば」で始めて具体的なエピソードで補足する。


本当にわかる論理学」 三浦俊彦 著 日本実業出版社 2010
「論理と直感( ヒューリスティクス )を併用するとうまくいく。」、 「権威を一緒に見せることで、主張が正しいように見せたり、誹謗を一緒に見せることで、主張が間違いのように見せる論法がある。」、 といったように、論理的な思考にまつわる様々な事に触れています。


発想のための論理思考術」 野内良三 著 日本放送出版協会 2010
・説得は詭弁。しかし、生産的な議論が、論理的であることは少ない。
・三段論法は、論証に使うこともできる。 新しい発想に結び付けるための方法に使うこともできる。ただし、結論をどのようにでもできてしまう使い方ができる点は問題。
・論理の正しさの確認には、ベン図や、有向グラフも使う。


知識と推論」 新田克己 著 サイエンス社 2002
さまざまな推論法が、コンパクトかつ体系的にまとまっています。
「真(しん)」と「偽(ぎ)」の2値の論理の議論の中では、 真偽が場合や状況によって変わる論理を扱うための、「様相論理」というのが、興味深いものでした。 人工知能 との関係がよく書かれています。 応用例として、法律の分野での推論が解説されています。


言葉で論理学を説明

図解雑学 論理学」 平尾始 著 ナツメ社 2005
記号論理学の記号の意味や使い道を解説しています。 見開き2ページで話題が完結するようにして、しかもそれぞれの話題はクイズ形式になっていて、読者に考えさせるようになっています。
・記号論理学は、0と1だけでできている。あいまいさはない。0と1だけで数学の計算もできるようになる。
・二重否定は、日常用語としては、否定前の文と異なる意味を持つが、論理学では、否定前と同じになる。


思考の回路 論理学ABC」 平野耿 編 富士書店 1995
形式論理学、記号論理学、弁証法、と続きます。
言語の構造の本のような印象です。


逆説論理学」 野崎昭弘 著 中央公論社 1980
論理の中でも、逆説を扱っています。 いろいろな逆説が出て来ます。


記号で論理の体系を説明

現代数理論理学序説」 古森雄一・小野寛晰 著 日本評論社 2010
数学の本のように、定義と定理を順に説明するきちんと説明する形で書かれています。
命題論理、述語論理、いろいろな論理(非標準論理)の順になっています。


現代論理学」 安井邦夫 著 世界思想社 1991
記号を中心とした書き方で、命題論理学と述語倫理学、不完全性理論と進みます。
数学の記述のための論理学が意識されていて、応用していく数学の理論としては自然数論が紹介されています。


情報科学における論理」 小野寛晰 著 日本評論社 1994
記号を中心とした書き方で、命題論理、述語論理、様相論理、直感主義論理、自然演繹、と続きます。


数学と論理学の関係

数学と論理をめぐる不思議な冒険」 ジョセフ・メイザー 著 松浦俊輔 訳 日経BP社 2006
数学の証明が、証明であるとはどういうことなのか?、といったことに対して、 実際の証明がどのようなものであるのかや、数式で表される法則が、現実にはどのように起きているのか、と言った内容で、 答えを示そうとしています。 人は、完全無欠な論理に対して、納得したり、「美しい」と感じているわけではないことを伝えたいようです。
現実の話としては、統計的な現象が出て来ます。


数学の現象学 数学的直観を扱うために生まれたフッサール現象学」 鈴木俊洋 著 法政大学出版局 2018
数学の世界は、形式的な論理で理解される側面と、「数覚」と呼べるような感覚で直感的に理解される側面があり、 それらを関係付ける領域を体系化したのが、フッサールということのようです。 本の内容は、こうした関係を扱うための概念を解説した哲学書、という感じです。


機械学習」 Peter Flash 著 竹村彰通 監訳 朝倉書店 2017
論理モデル: 決定木 を使って、データの重複を避けて、現象の論理的な構造を見つけるものを概念学習。 アソシエーション分析 を使って、データの重複を許して、現象の論理的な構造を見つけるものがルールモデル。


インドや仏教の論理学

認識論と論理学 問答法から帰納法へ」 高崎直道 監修 春秋社 2012
論理学はこの本の中のひとつの章で、他の章は、存在論、認識論、真理論、輪廻、といった仏教の話題です。
論理学の章の中では、3段論法も出て来るのですが、「因果関係はあるのか?ないのか?」、という問いに対しての、仏教での考え方を示しているようでした。


インド人の論理学 問答法から帰納法へ」 桂紹隆 著 中央公論社 1998
インド人には、帰納法を使って論理的に考える習慣が昔からあるそうです。
インド人の論理学だけでなく、近代の政治や文化の話題もたくさん取り上げられています。




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