どうやって参考文献を読んでいるのですか?
環境と品質のためのデータサイエンス は、参考文献の多さについて、質問やコメントをいただくことが多いです。
「毎日、読書ばかりしていたとしても、これだけの本は読めないのではないか?」、と思っている方もいらっしゃいますが、 筆者の場合は、下記のようにして読んでいます。
新しい本は、現地現物で見つける時と、ネットで見つける時があります。
まず、現地現物で見つける時ですが、図書館や書店の本棚の前で、タイトルを見渡して、気になる本を選びます。 読んだ事のない本は、とりあえず手に取るようにしています。
今は蔵書をパソコンで探せますし、様々な媒体で本が推薦されて来ますが、不思議なもので、本棚に行って初めて出会う本もあります。
書店や、開架図書(一般の利用者が自由に閲覧できる本棚の本)が多い図書館の本は、このパターンで見つかる時が多いです。
ネットの検索で探すこともあります。 日本語の本の場合、国立国会図書館の検索サイトが、一番充実しています。
ネットで見つけた本は、現物を簡単に読めないです。 購入するか、図書館で読むかになりますが、そこまでするかは、まずはネットの情報を参考にします。 目次など、本の一部がネットで公開されていれば、貴重な情報になります。
ネット上の書評も参考にしますが、その本の意義は、人それぞれのようです。 酷評されている本を実際に読んでみたら、私にとっては良書だった事もあります。その逆もあります。
何か元になる本があって、その解説書がある場合は、元の本と、解説書の両方を見るようにしています。 解説書は、効率良く学べる利点がありますが、元の本の特長の一部が解説されていないことがあります。
国立国会図書館は、日本語のあらゆる本の収集を進めている図書館なので、ずいぶんお世話になっています。
本を手に取ったら、目次を見ます。 これでだいたいの内容がわかります。
ほとんどの内容が明らかに理解不能だったり、「ここまで深堀りした知識は、とりあえず必要ない。」と思った場合は、これ以上読みません。
目次では判断できない場合、前書きや後書きを読みます。 また、全部のページをパラパラとめくってみます。 ここまでで読むのをやめる場合もあります。
こんな読み方でも、数年後に「あの本に詳しく書いてあったのでは?」となって、また手に取る事があります。
データサイエンス や 機械学習 関係で、教科書のように作られている本は似たり寄ったりなので、目次を見て、知らない話(新しい手法、等)があれば、そこから読みます。
著者の視点に特長がある場合は、知っている話についてその著者がどのように解釈しているのかを、確認することもあります。
馴染みのない分野や、要旨が目次、前書き、後書きからわからない本の場合、第1章から丁寧に読み始めます。
第1章の最初から読み始めて、どういう本かがわかってくると、その後は、斜め読みに変えることがあります。
斜め読みは、文脈を眺める感じです。 今までに見た事のない専門用語や、考え方が目に飛び込んで来たら、立ち止まって、その周辺をよく読みます。 章ごとのまとめが書かれていれば、そこは丁寧に読みます。
本の最初から最後まで、丁寧に読むのは、数年に1冊くらいです。 最後まで丁寧に読んだ本として覚えているのは、下記になります。