信号因子 を使う実験は、「 層別 の 回帰分析 のデータを取るための実験」、 です。
信号因子を使うと、XとYの2次元の関係を評価できるようになります。 物事の基本原理、物理法則と言われるものには、XとYの関係を直線や曲線で表現できるものが、たくさんあります。 2次元の関係を見るのでしたら、回帰分析用のデータを取れば良いのですが、 信号因子の実験は、層別の評価もすることによって、現象の再現性を高くするための評価をできるようにしています。 基本原理や、物理法則を実用化するための評価方法になりますので、 重要な実験です。 また、物事の基本的な事を扱いますので、応用範囲も広いです。
品質工学 では、基本原理や物理法則は、 「機能性」 と呼んで重視することが多いのですが、 機能性の評価以外にも使い方があります。
測定の経験が少ないと実感がわかないかもしれませんが、 測定対象の違いが直線で評価できるものが、 良い測定方法(測定器)です。 「直線で評価できる」というのは、例えば、穴の深さが2倍になったら、測定値も2倍を表すことを言います。
直線で評価できないと、まず、装置の校正で困ったことになります。 XとYの直線的な関係というのは、測定方法では大事な性質です。
入力値の変化(測定サンプルの違い)を信号因子にすると、 測定方法の ロバスト設計 ができるようになります。
もともと、信号因子の考え方は、測定器の設計に使われていたものだそうです。
信号因子を「時間」にすると、時間的な変化を調べるための実験が、計画できるようになります。 時系列解析 用のデータとしても使えます。
順路 次は 品質工学の直交表