本草と博物学
本草(ほんぞう)は中国で、博物学はヨーロッパで発達した学問です。
古典的な科学です。
自然環境
の見方や、
環境からヒトへ
という見方の、古くからある分野です。
本草
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中国に大昔からある薬学です。
本草は自然界にあるものを薬にしますが、
現在は化学的に合成した薬が多いので、
現在の薬学の前身と言えます。
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自然界のあらゆる植物・動物・鉱物を、薬としての作用で分類する学問
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食糧不足の時は、何が食べられるかの知識が必要なので、
そういう方向にも発達しました。また、料理の本の原形にもなっています。
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このサイトの言い方だと
環境からヒトへ
を評価していることになるので、
環境評価
の前身と言えそうです。
博物学
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ヨーロッパで発達した学問です。
ヨーロッパ人が全世界に出かけるようになって、特に発達したようです。
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自然界のあらゆる植物・動物・鉱物を調査して分類する点は、
本草と同じですが、
人間にとって役に立つかどうかは問題にしていません。
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博物学の重要な要素は「分類」と「収集」です。
「収集」は、実物を持ち帰ることもありますが、絵や記録を集めることもあります。
人によっては、珍しいものを特に重視する場合もあるようです。
いわゆるコレクターや、マニアの心理と同じだと思います。
本草と博物学の共通点
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自然界のあらゆる植物・動物・鉱物を調査して分類
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個別の種や、個体を対象にします。それらの関係や、群としての性質を問題にしません。
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現在の生物学や鉱物学の前身
参考文献
「物のイメージ・本草と博物学への招待」
山田慶兒 編 朝日新聞社 1994
タイトルが魅力的でした。
動物・薬物・書物・人物・観物という構成で、本草と博物学を紹介しています。
「博物学の時代」 上野益三 著 八坂書房 1990
植物学中心の博物学の本です。
テレビで見かける荒俣宏 氏との対談もあります。
「資源論入門」 佐々木信行 著 コロナ社 2001
資源の種類等
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