平均値の差の検定のo値 は、2群についてのものです。 分散分析のo値は、2群以上の時の方法です。
平均値の差の検定のo値B は、相関係数を使って寄与率を計算していますが、分散分析のo値は平方和から計算します。
Xiは、サンプルの値、allがついているのは、全体の平均値、mがついているのは、各グループの平均値です。
分散分析のo値では、まず、全体の平方和を、各グループの平均値からの平方和と、各グループの平均値と全体の平均値の平方和に分けます。
o値に相当するものは、Siの割合になります。
分散分析よりも、手順はシンプルです。
Siは、それぞれのサンプルについて、自分の所属するグループの平均値からのばらつきの合計を表しています。
Smは、それぞれのグループの平均値について、全体の平均値からのばらつきの合計を表しています。
それぞれのグループが、同じ母集団からのものなら、Smはかなり小さくなります。 各グループの母集団が異なっていて、平均値が離れていると、Smの割合が大きくなります。
平方和の大きさは、サンプル数の影響を受けますが、o値の計算では、それらの比を計算します。
サンプル数によって、o値の精度は変わりますが、このo値には、「サンプル数が多いと小さくなりやすい」という特徴がないです。 この点が、P値との違いになります。
計算の例です。ANOSSがo値、ANOVAがp値です。
グループが3つで、それぞれサンプル数が3の時です。ANOSSとANOVAの違いは、それほど大きくありません。
サンプル数が100ずつなのが下記です。
ANOSSとANOVAの違いが大きく出ます。
分布全体がずれているかどうかという点では、これくらいの平均値の差は、「差はない」という結論になった方が良いのですが、そのような尺度になるのは、分散分析のo値の方です。
順路
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分散の比の検定のo値