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管理図は、 折れ線グラフ の一種です。 大げさな言い方をすれば、 時系列解析 の道具です。
QC7つ道具 のひとつにもなっています。 他の道具は問題解決のために使うことが多いですが、管理図は日常管理の道具としても使われる点が、少し違います。
管理図は、「管理図」という名前の通り、リアルタイムに更新して、何か見つかれば対策するための道具として使う使い方があります。
しかし、 管理図の種類 の中には、日常的な管理には適していないものの、 「現場は、こんな風に変化しているんだ!」、「この管理図で見ると、こうなんだ!」というように、時系列データの分析の道具として役に立つものもあります。
管理図には、異常判定ルールなどもありますが、 何はともあれ、折れ線グラフを実際に作ることの意義がとても大きいです。
グラフを見るだけでも、「だんだん下がっている。」、「ほとんど一定」、「たまに変な値がある」、と言ったことはわかります。
筆者の経験の範囲では、統計的な安定性の理論や、統計的な管理値の計算は、グラフの見方の参考になる程度で、あまり重要ではないです。 むしろ、グラフを見るだけで、一目瞭然でわかる事が重要です。
異常状態の判定の理論には、 正規分布 等の統計学的な分布が仮定されて作られています。
そのため、もともとこのような分布の性質を持たない値や、持たせるつもりのない値については、 この理論は、当てはまらないことが多いです。
また、(筆者の経験の範囲になりますが、)現実の工程の変動は、 偶然誤差 よりも系統誤差の方が支配的なので、値の動きには、たいてい何らかの意味があり、 また、その意味の内容はしょっちゅう変わります。
この意味でも、異常状態の判定の理論は、参考程度にしかならない事がよくあります。
管理限界線が、合否判定値等とは、根本的に意味が違うという点が第一の注意点です。
また、上記のように、系統誤差が支配的な工程では、参考程度にしかなりません。
品質管理の中で使われる合否判定値等の値は、一度決めたら、基本的にずっと使い続けるものです。
一方、統計ソフト等で、管理限界線を計算してくれますが、その値は、計算した時に使ったデータで毎回変わります。
管理の目安として管理限界線を使う場合、値が毎回変わると、とても困ったことになります。 (これは、管理図がソフトで簡単に描ける時代になったことによる、新しい注意点です。) 日常管理で管理限界線を使うのでしたら、管理限界線を作るためのデータの期間を決めておいて、 毎回変わらないようにする方が実用的です。
センサーデータ を、”そのまま”管理図にしても、管理図の理論が使えないことが多いです。
センサーデータに使うのでしたら、注目したいタイミングのデータだけを サンプリング してから管理図にすると、うまくいくことがあります。
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