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ばらつきの違いの検定

平均値の差の検定 がありますが、このページのタイトルは、「ばらつき違いの検定」としていて、「標準偏差の差の検定」にはしていません。

この理由は、まず 誤差の伝播 のページにもありますが、標準偏差同士は、足したり、引いたりできない性質があるので、数学的な意味での「差」という言葉が当てはまりません。 また、ばらつきの違いを見るのに、数学的な差ではなく、「比」を使います。

さらに、標準偏差は平均値と単位が同じになるので、ばらつきの尺度として理解しやすいのですが、 ばらつきを扱う検定では、検定の対象が分散になります。

2つの母分散の比の検定

2つのグループがあって、標準偏差の違いの有無を調べたい場合は、F検定があります。

平均値の差の検定 では、「2つのグループの分散が同じ(等分散)」という仮定のあるものがあります。 そのため、ばらつきの違いの検定は、「等分散性の検定」として、平均値の差の検定の前に使われることがあります。

3つ以上の場合の検定

複数のカテゴリについて、分散(ばらつき)が同じかどうかを調べるための検定のひとつが、バートレット検定です。

分散分析 には等分散の仮定がありますので、その検定に使われることがあります。

ちなみに、バートレット検定は、一元配置分散分析の等分散性の検定に相当するのですが、 多元配置分散分析(二元以上のもの)に対して、ばらつきの違いの検定はないようです。

実験データの解析 で、多元のものに対して、ばらつきの違いを分析する方法としては、 二段階設計 として 品質工学 が使っているものがあります。 ただし、検定ではありません。

ソフト

Rの実施例は、 Rによる違いの有無の分析 のページにあります。

以下は、 R-QCA1R-EDA1 の実施例です。

分散の比の検定

Before-Afterを簡単に比べる方法としては、 R-QCA1 が良いかと思います。 1列目と2列目に比べたいグループのデータをそれぞれ入れたcsvファイルを用意して、読み込むとできます。 平均値の差の検定の下に、分散の比の検定の結果が出ます。
ウェブアプリ R-QCA1

バートレット検定

R-EDA1 では「Stratifeid_graph(層別のグラフ)」を選んで、「histgram(ヒストグラム)」や「box_plot(箱ひげ図)」を選び、 層別のための変数が1個だけ選ばれた時には、 グラフを描くために選んだ変数を使って、バートレット検定ができます。 グラフの下に、分散分析の結果が出て、その下にバートレット検定の結果が出てきます。
GLMM in R-EDA1 Bartlett in R-EDA1

すべての変数の中の、2つのグループの比較

R-EDA1 では「Basic_test_All_Varaiables」を選ぶと、ラベルの変数を元に、各変数を層別して、すべての変数について、ラベルが0と1のグループについて、 2つの母分散の比の検定ができるようになっています。 平均値の差の検定の下が、母分散の比の検定です。 p値だけが出力されます。
R-EDA1




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