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二段階設計

二段階設計(2ステップ法)は、 パラメータ設計 の実質的な部分です。 品質工学 の真骨頂とも言える部分です。

実験計画法 を駆使して、パラメータ(条件)を決めます。 その点は、実験計画法そのものなのですが、パラメータの決め方が、 二段階からできているので、二段階設計と呼ばれます。 二段階設計の一段階目が、 ロバスト設計 という考え方から来ている部分です。

ばらつきを小さくしてから、目的の物性値に動かすという手順です。 平均値と標準偏差 という言葉を使うなら、 標準偏差を小さくできる条件をまず見つけ、 それから、平均値が目的の値になるように調整するとも言えます。
品質工学は、「順序が逆だと、品質のばらつきに振り回されることになる」、と提言しています。

設計思想としての二段階設計

設計思想として二段階設計が語られる場合は、 「まず、ばらつきが低減できる技術を確立するのだ。 平均値を目標値にする技術はその後で良い。」という思想です。

実験のデータ解析としての二段階設計

二段階設計は、 実験のデータ解析の手順でもあります。

この場合は、まず、ばらつきが低減できる条件を見つけ、 ばらつきが低減できる条件に影響が出ないように気を付けながら、 平均値を目標値にできる条件を探す方法のことを指します。

実験からデータ解析までの手順

二段階設計のデータ解析

実験のデータ解析に二段階設計を組み込むと、実験と解析は下記の流れになります。

図の例は、制御因子がAとBの2つあって、水準はそれぞれ2水準あり、 同じ条件の実験を2回ずつ実施した実験の解析です。 非常にシンプルな例ですが、様々な パラメータ設計 のアイディアの基礎になるものです。

※1 「ばらつき」の計算方法は、解析者が選ぶことができます。 品質工学のSN比 や、分散、標準偏差があります。

※2 平均値は単に足し合わせるのではなく、平均値の平均値を計算した方が、実験の考察がしやすいと思います。 計算の流れが重要なので、このページでは、上記の説明にしています。

※3 このページの表のように、実験結果を2列以上の列を使って、表記する方法は、「 直交表の外側配置 」と言います。

二段階設計の限界

二段階設計がうまく活用できるのは、 一段階目に影響の大きな因子と、 二段階目に影響の大きな因子が異なる場合です。

目的の仕様の値を得るために重要な因子が、 ばらつきの最大の原因になっている場合は、珍しいことではありません。 そんな場合の対応は、ケースバイケースですが、 共通して言えそうなのは、製法の根本的な見直しが必要になりそうなことです。



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