GNPを横軸に取り、二酸化硫黄を縦軸に取ると、 GNPの低いところでは増加関数で、GNPがある程度以上になると減少関数(逆U字型)になるそうです。 これを、「環境クズネッツ曲線(The Environmental Kuznets Curve)」と言います。
この事実だけで政策を考えるのなら、 「GNPを増やすのは、環境に良いことなのだ。」ということにもなります。 しかし、二酸化炭素の場合は、減少に転じることがないらしいので、 安易にGNPを増やせません。 それに、そもそも増減の決まり方は、要素がいろいろあって簡単ではないようです。
減少関数になるのは、「スケールメリットが原因」と言われたり、 「経済発展が進んで衣食住が満たされてくると、環境配慮の行動に変わるから」 とも言われますが、本当のところはよくわかりません。
環境クズネッツ曲線は、「取扱要注意」ですが、 政策を考えたりする上では面白い性質です。 また、 環境経済学 で登場する様々な 経済性の尺度 の使い方を考える上でも参考になります。
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