三重指数平滑法 は、とても実用的な方法ですが、 Prophet や SARIMAX と比べると、外生変数を扱えないところが、弱点になっています。
話は変わりますが、 Prophet や SARIMAX は外生変数を扱えるものの、扱い方が限定的だったり、手法自体が扱いにくかったりします。
このページの「外生変数付き三重指数平滑法(ETSXモデル)」というのは、 三重指数平滑法でも外生変数を扱えるようにしたモデルです。 三重指数平滑法の略称が「ETS」なので、それに外生変数を意味する「X」を足した名前です。
下は、ETSとETSXの比較です。
「イベントあり」のサンプルは、外生変数によって把握しています。 ETSは外生変数とは関係なく、予測するので、「イベントあり」の場合はばらつきの一種として扱うことになり、信頼区間が大きくなります。また、「イベントあり・なし」で区別して予測することができません。
ETSXは、もっともらしい予測ができています。
また、信頼区間が狭いので、精度が高いです。
AAA型の三重指数平滑法は、以下になります。
AAAA型では、4行目の式を以下に変更します。
上の例は、外生変数が1個の場合です。 2個以上の場合は、1個の時と同様にして、変数を足します。
AAA型では、実際のデータから、α、β、γを最適化計算で求めて、予測に使います。 AAAA型では、同じようにpも最適化計算で求めます。
AAAM型では、4行目の式を以下に変更します。
Excelでは、三重指数平滑法が非常に簡単に使えるようになっています。 このサイトでは、 Excelで簡単に予測とシミュレーション のページで説明していますが、「予測シート」というツールで簡単に使えます。
ETSXモデルは、予測シートではできませんが、予測シートで使われているFORECAST.ETS関数を応用することで、EXCELでもできます。
ExcelでETSXモデル のページに手順をまとめています。
時系列のデータがあって、予測を定量的にしたい時は、 Excelで簡単に予測とシミュレーション にある予測シートを使って、三重指数平滑法(ETS)をすれば、だいたいの用が足ります。
予測シートを使えば、数秒から数分の手間で分析が終わります。
外生変数があって、それを入れた方が予測の精度が上がりそうなら、ETSXの出番になります。 予測シートの手軽さはないですが、外生変数を入れたいのなら、これがベストです。
ETSXは、数十分くらいの手間です。
Prophet
や
SARIMAX
といった別の手法、あるいは、RやPythonといった別のツールを使うのは、優先順位としては、ExcelでETSとETSXを検討した後が良いです。
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