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定性評価と定量評価

実験計画法 で使う因子には、定性的なものと、定量的なものがあります。

定性評価でも定量評価でもどちらでも可能なケースでは、 定量評価の方が、実験結果を活用する時の自由度が大きいです。 このページでは、この自由度の違いができる理由について理解を深めたいです。

定性評価から、定量評価へ

定性評価とは、 例えば、材料 A ・ B ・ C があって、 製品に加工した時に一番品質の良い製品を選ぶための実験です。 この時、A ・ B ・ Cという「名前」が X で、 それぞれが製品化された時の品質が Y です。 定性評価の「結果」とは、例えば、「Bが一番良く、次がCです。」になります。

この実験を「定量評価」として行う場合は、 まず、A ・ B ・ C の量的なデータを入手します。 今回は、それが「硬さ」だったとします。

そうすると、A ・ B ・ Cの「硬さ」を X にして、 それぞれの製品化された時の品質を Y にした実験をすることになります。 この実験結果として、「Bが一番良く、次がCです。」が出てくる点は、 定性評価の時と同じです。 ところで、A ・ B ・ Cの「硬さ」がわかっていれば、 硬さと品質の関係の深さを評価することができます。 これが、「自由度は定量評価の方が大きい。」のひとつめの理由です。

さらに、硬さと品質の関係が深いなら、 「硬さ」の値を横軸にし、品質を縦軸にしたグラフを描くことによって、 A ・ B ・ Cよりもさらに良い材料の開発のヒントが見つかるかもしれません。 これが、「自由度は定量評価の方が大きい。」のふたつめの理由です。

定量評価で注意すること

上記で、定性評価を、定量評価に変えていくポイントを書きましたが、 前提条件があります。 ひとつは、「硬さ」のデータが入手できなければ、定性評価として実施するしかない点です。

もうひとつは、もっと重要なのですが、 上記の定量評価は、「硬さと品質に関係がある。」ことが既知でなければいけない点です。 「実験結果を元にして、最適な硬さの D を開発したのに、 Dで実験したら、 A ・ B ・ C よりも品質が劣った。」なんていうことが起きるかもしれず、 そういう場合は硬さ以外の何かが、A ・ B ・ Cの違いなのかもしれません。



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