有向情報量分析 では、 相互情報量行列 にある、相互情報量と平均情報量を使って、有向グラフを作ります。
これはこれで良いのですが、有向グラフを作るための行列データが対称行列なところが、 ネットワークグラフ の一般的な作り方と違っています。
このページの対数尤度情報量分析は、 有向情報量分析 と同等な分析を、非対称な行列データから作る方法として、筆者が考えてみたものです。
対数尤度情報量というのは、筆者が考えたものです。 もしかしたら、世の中には、既に同じものがあるかもしれないのですが、今のところなさそうなので、この名前にしています。
対数尤度情報量は、対数尤度の符号を逆にして、サンプル数で割ったものです。
この定義をすると、サンプル数の影響がなくなり、相互情報量と似た計算式になります。
また、BICやMDLのような対数尤度を使う尺度と同じで、向きによって、値が異なります。つまり、有向グラフを作るための尺度になります。
対数尤度情報量は、2変数の関係の強さと、それぞれの変数の情報量の、2つの要因で決まります。
有向情報量分析 では、2変数の関係の強さと、2変数の情報量の差の、それぞれについて、しきい値を決めて分析を進められるのですが、 対数尤度情報量分析では、そういう進め方ができません。 そのため、対数尤度情報量分析は、使い勝手が悪いです。
Rによる対数尤度情報量分析 があります。
順路 次は 対数尤度と情報量の関係