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大標本理論

大標本理論というのは、「統計学は少数の限られたサンプル(標本)を活用する学問」という認識が前提にあって、 「もしも、サンプル数が、十分に多かったら」や、「もしも、サンプル数が無限大にあったら」ということの研究になっています。

このページは、主に、調べた本のメモとして作っています。

P値問題への理論としては?

筆者が、大標本理論を調べたのは、 統計的な検定と、統計教育の歴史 にあるような、P値問題に活用できる話を探すためでした。

しかし、残念ながら、特に役に立ちそうな理論ではないようでした。

カイ二乗検定による尤度比検定

現在は、大標本が珍しくないです。 そんな時代でも、知っていると面白いのは、 カイ二乗検定による尤度比検定 の話だけかもしれません。



参考文献

統計的推測とその応用」 ラオ 著 東京図書 1992
クラメール・ラオの不等式などで有名なラオ氏による、568ページの大著です。 原著の第1版が1965年、第2版(この翻訳本の原著)が1973年です。 多変量解析も含め、20世紀に確立した統計学全般について、広く、丁寧に解説されています。
統計学の教科書ですが、その準備として、第1章の約70ページを使って、ベクトルと行列の扱い方を解説しています。 大標本理論は第6章です。


統計学への確率論,その先へ ゼロからの測度論的理解と漸近理論への架け橋」 清水泰隆 著 内田老鶴圃 2019
統計的な漸近理論を使いこなすには、確率論の理解が必要、確率論の理解には測度論が必要、ということで、測度論まで遡って解説しています。


必携 統計的大標本論 その基礎理論と演習」 Thomas S.Ferguson 著 共立出版 2017
大標本理論だけで1冊になっています。
大標本理論から、推定・検定の妥当性に議論があります。 数学的な前提を置き、その上で何が成り立っているか、というスタイルになっています。


統計学」 森棟公夫 他 著 有斐閣 2015
大標本理論として、 カイ二乗検定による尤度比検定 を紹介しています。


数理統計学」 吉田朋広 著 朝倉書店 2006
大標本理論だけで、ひとつの章があります。 最尤推定の漸近性の解説からです。
ロバスト推定カイ二乗検定による尤度比検定 を紹介しています。


数理統計学の基礎」 野田一雄・宮岡悦良 著 共立出版 1992
サンプル数が増えた時の、母数への近付き方(漸近)について解説しています。




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