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レコメンドシステム

レコメンドシステムは、インターネット上でおすすめ(レコメンド)をする技術として、日常的なものになっています。 「あなたにおすすめ」といった感じで、表示されることもありますし、そのように書かれていなくても、表示されるものがその優先順になっていることもあります。

レコメンドの仕組み

レコメンドシステムは、すでに日常的な技術になっていますので、リバースエンジニアリング的に、この技術を紐解いてみます。

まず、レコメンドシステムでは、「あなたと似ている人は、これを選んでいます」、「これを選んだ人は、これも選んでいます。」といった仕組みでレコメンドされます。

ということは、システムの中で、以下のような情報を持っていると、この仕組みを作ることができるはずです。

こういうことがわかる データサイエンス の手法としては、 アソシエーション分析クラスター分析行列の分解 といったものがあります。

機械学習としては特殊

レコメンドシステムに使われている技術は、「 機械学習 」の一種ですが、一般的な機械学習の説明の中で、レコメンドの技術はあまり出て来ません。 出て来ない理由はいくつか考えられますが、そのひとつは下記にあるように、分類がしにくいところではないかと思います。

一般的には、 教師あり学習・教師なし学習強化学習 といった分類をした時に、予測や推論に使われるのは、教師あり学習や、強化学習です。 教師なし学習は、データの前処理や、データの理解で使われる手法のように説明されることが多いです。

一方、レコメンドで使われるのは教師なし学習の手法ですが、レコメンドというのは予測や推論です。 この点でレコメンドは特殊です。

ちなみに、教師なし学習を予測や推論に使う方法として、 1クラスモデル がありますが、レコメンドシステムは、これとはまったく異なります。

レコメンドシステムの他分野への応用

データサイエンスやAIでは、PoC(お試しで導入)をして、それ以上進まないことがよくあります。 一方、レコメンドシステムは、日常的な技術になるほど進んでいます。 データサイエンスと ビジネスモデル がうまく組み合わさることで成功した事例として、1番ではないかと思います。 ちなみに、2番が画像認識で、3番は音声認識でしょうか。。。

レコメンドシステムは、多種多様な組合せの中から意思決定していく技術として、応用があるかもしれません。

また、PoC止まりになってしまう事例の多くは、その技術ありき、になっていて、対象との相性の確認が、二の次になっているようですので、 そうしたことを考える上でも良い題材と思います。

教師あり学習・教師なし学習 のような分類にとらわれずに、その手法のアルゴリズムや、インプット・アウトプットの関係といったものと、対象としているビジネスや業務の関係を考えていく題材としても良いと思います。



参考文献

ビジネスの現場で使えるAI&データサイエンスの全知識」 三好大悟 著 インプレス 2022
タイトルではわからなかったのですが、ネット上で販売業をする時に使われるデータサイエンスの本になっています。 数式を使わずに、どんなものかがわかるように、図と文章で方法を説明しています。
章の構成は、基本的なグラフと統計量、線形回帰分析、ロジスティック回帰分析、画像分類(ディープラーニング)、クラスタリング、レコメンデーション、数理最適化になっています。 レコメンデーションと数理最適化で、それぞれひとつの章を当てている点が、類書との違いになっています。


レコメンドで使われる4つのアルゴリズムを簡単に紐解く!」 ウマたん 著 2020
具体的なアルゴリズムが、わかりやすい語り口で紹介されています。
https://toukei-lab.com/recommend-algorithm




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