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バランスの理論

環境問題で重要なのは、 大きくは、世界的な環境対策のための合意形成、 小さくは、 リスクコミュニケーション のような話です。 これらには、立場の相違や利害関係のある中で、「共存」するための理論が必要です。

筆者は、共存のための意思決定論は、 「バランスの良さ」が尺度になると思います。

バランスと安定性

単にバランスの良さを求めるだけなら、陰と陽の中間を探すような考え方で良いと思います。 しかし、少し欲を出して、「良いバランスが保たれる」や、「崩れにくい」、ということまで求めるのなら、 「安定性」がキーワードになります。

「安定」とは、数学的には、不動点や、 アトラクタ が存在することです。

西洋流のバランスの理論 : システム工学

制御工学 が目指すのは、制御が可能であることや、出力が安定することです。

また、 品質工学 が目指すのは、品質のばらつきの低減です。 いずれも、「安定」を、「最適」と考えています。

東洋流のバランスの理論 : 東洋医学・風水

バランスの良さを目指す考え方は、大昔から東洋思想の中にあります。 具体的には、東洋医学や、 風水 です。

東洋医学

東洋医学は、まず、気・血・水(き・けつ・すい)を診ます。 そして、「証(しょう)」を決めます。 「証」というのは、病状や症状のことです。 そして、証が決まると、治療法が決まります。

証の決め方も、治療法も、ひとつではありません。 診察する人の得意・不得意や、その時の状況で決まります。

東洋医学の治療は、バランスと流れの調整です。 陰陽五行説 、等の、物事の関係についての理論を使います。 強過ぎるものを弱めたり、弱いものを補ったりします。 流れが詰まっていれば、刺激を与えて、取り除いたりもします。



参考文献

安定性の研究

安定性の研究は、微分方程式の応用分野( 制御工学カオス 、等)では、主要なテーマになっています。 下記の文献には、もう少し特殊な状況における安定性の研究があります。
破壊 」や「爆発」は、穏やかでない現象ですが、本の内容は穏やかです。 こういう身近な現象の研究が、未だに研究途上というのは、興味深いです。


爆発と凝集」 柳田英二 編 東京大学出版会 2006
「藤田方方程式による爆発現象」、「生物の形態形成の凝集現象」、「粘菌の胞子形成の集中現象」、 「ブラックホールの臨界現象」を扱っています。
これらの現象には共通していることがあるそうです。 それは、「特異性の発現の話であること。」、 「特異性の発現の過程において、スケーリング則や自己相似性が見られること。」、です。 特異性というのは、数学的には「無限大」を扱う現象です。 そのため、一般的には数学的な取り扱いが難しいのですが、スケーリング則を利用して解析を進められるそうです。
2つの章では、解の安定性の議論もあります。


東洋医学

からだとこころを整える魔法のバランスレッスン」 永露江未子・上古都香 著 たま出版 2016
「五臓の色体表」という、陰陽五行説をベースにした表を使った治療の先生と、 「バーオソル」という、バレエの分野で研究された、ヨガのような体操の先生が著者です。 東洋医学と西洋医学の融合の、ひとつの形が作られています。


漫画ハリ入門 楽しくわかる経絡治療」 池田政一原作・湯沢敏仁作画 医道の日本社 2007
水や火として考えるのではなく、 医術では臓器の関係論として考えた方が実用的として、五行説を臓器の関係で説明しています。
東洋医学では、脈を診るだけで、その人の健康状態が相当わかるそうです。 この本には、主人公が脈を学んでいくお話があります。 脈は、陰陽五行説と関連しているそうです。


実用 東洋医学」 根本幸夫 著 池田書店 2008
陰陽五行説 の考え方等の、東洋医学に関係する理論について、簡単に触れた後、 65の症例(肩こり・発熱)について、漢方薬・ツボ・食養を解説しています。


気とエントロピー : 医者と患者に役立つ東洋医学」 帯津良一・槌田敦 著 ほたる出版 1999
東洋医学に詳しい外科医師と、エントロピーに詳しい環境経済学者(物理や化学の経歴もお持ち)の対談集です。 前半は、タイトルの通りの内容です。 エントロピーで気のはたらきを説明する試みが議論されています。 「エントロピーとは何か?」、 「気や気功とは何か?」と言ったことの説明も多いです。 後半は、気持ちの状態と、がんの症状についてや、 治療法の選び方についての議論です。 この本では、最終的に「気とは何か?」についての答えがある訳ではないのですが、 この本のようなまとめ方で良いと思います。


陰陽五行学説入門」 朱宗元・趙青樹 原著 中村璋八・中村敞子 共訳 谷口書店 1990
中医学の概要の説明の後に、陰陽説と五行説を解説しています。 全般的に冗長な感じです。


漢方のひみつ」 秋葉哲生 監修 青木萌 文 おだぎみを 漫画 学研パブリッシングコミュニケーションビジネス事業室 2011
漢方の定義や歴史などの話もありますが、この本の特徴は、ツムラ社が実際に行っている漢方の生産について、 原料の確保の仕方から、製造方法まで詳しく書かれていることです。


東洋医学(全体像をまとめたもの)

ここに分類した本は、基本的な内容は同じです。


東洋医学のきほん帳」 伊藤剛 著 学研 2014
東洋医学と西洋医学の両方ができる方が著者で、著者の考えがあります。
舌の見方がかなり具体的です。
五行説には、行き過ぎた理論も生まれているそうです。
全体的には、医師が患者を診察する時の視点で書かれている感じです。


基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書」 平馬直樹・浅川要・辰巳洋 監修 ナツメ社 2014br> 東洋医学全体に共通する理論や知識を、コンパクトにたくさん解説しています。 ほねつぎや、気功など、個別の流派についての解説もあります。


マンガと図解これからの東洋医学」 川嶋朗 監修 日本文芸社 2016
西洋医学を補う方法という位置付けで解説しています。


やさしい東洋医学」 伊藤隆・木村容子・蛯子慶三 監修 ナツメ社 2016
身近な不調へのセルフケアで扱っている症状が多いです。 低血圧の対策が書いてあるので、筆者としては、一番参考になりました


マンガと図解これからの東洋医学」 川嶋朗 監修 日本文芸社 2016
西洋医学を補う方法という位置付けで解説しています。 東洋医学の本は、日本や中国で発達した方法の話が多いようですが、この本では、世界の伝統医療や、代替医療も解説しています。



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