以下の例では、上のような10個のデータがあり、「平均値は、0よりも大きいと言えるか?」を調べたかったとします。
このデータの平均値は0.45、標準偏差は0.42です。
平均値の検定のo値Aでは、
(平均値 ― 基準値) / 標準偏差
を効果量と考えます。
平均値と基準値の差が、標準偏差の何倍かを見ています。
これは、
標準化
と同じ作業をしています。
標準化をすると、標準正規分布でよく知られている確率の考え方が使えます。
上の例だと、平均値は0.45、基準値は0、標準偏差は0.42なので、「(平均値 ― 基準値) / 標準偏差」は、約1です。 o値として見るのは、上の図の赤い部分になります。 この場合は、約16%(0.16)です。
平均値の検定では、平均値の信頼区間が下記の式になっています。
95% t値というのは、サンプル数で変わりますが、約2です。
平均値の信頼区間から、効果量の信頼区間は、下記とします。
正規分布を仮定して、基準値の位置から決まる赤い色の範囲をo値と考えます。
z検定を使うと、下の式でo値が求まります。
=NORM.DIST(0,0.45,0.42,TRUE)
0、0.45、0.42の位置が異なっていますが、下の式でも、同じo値が求まります。
これは、検定統計量にあらかじめ標準化をするかどうかが、違いになっています。
=1 - NORM.DIST((0.45 - 0)/0.42,0,1,TRUE)
o値の信頼区間は、 p値の信頼区間 と同様に、効果量の信頼区間の上側と下側の値を、o値の計算式に入れて計算します。
下記は、信頼区間の上側の求め方ですが、下側でも同様です。
EXCELの場合、例えば、下の式でo値の信頼区間(上側)が求まります。nは、サンプル数です。
=(1 - NORM.DIST((0.45 - 0)/0.42 - 1.96/sqrt(n),0,1,TRUE))*2
平均値の検定のo値Bは、簡単です。
0以下のデータの割合を調べます。
この例では、10個中1個なので、
o値 = 0.1 (= 1 / 10)
です。
平均値の検定のo値Aは、分布を仮定して計算する必要がありますが、平均値の検定のo値Bは、何でも使えます。ノンパラメトリック検定の一種とも言えます。
順路
次は
対応のある平均値の差の検定のo値