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かんばん方式

かんばん方式は、トヨタ生産方式で有名になった 在庫管理 の方法です。

発注点方式 とは、発想がだいぶ違います。

基本的な考え方

この方法は、「出荷した分だけ入荷」という考え方が基本になっています。 この方法だと、理想的には在庫が0になります。

ただし、本当に在庫を0にしてしまうと、 入荷するまでのリードタイムの期間に、欠品してしまうので、ある程度は在庫は必要です。

かんばんとは

ひとつのかんばんが、ある発注の量を表していて、かんばんの分量が出荷されたら、その分を発注して、 「現品に付いているかんばんが、1枚減った」と考えます。 入荷されたら、「現品に付いているかんばんが、1枚増えた」と考えます。

発注中以外は、現品とかんばんが対応しますので、 現品に付いているかんばんの枚数を数えると、その枚数に一枚分の発注量(発注単位)をかけた値が、在庫量になります。

かんばんの枚数の決め方

かんばんの枚数の決め方として、ネットでよく紹介されているのは、平均的な出荷量と安全在庫を使った計算方法です。

この方法は、安全在庫の考え方に目安がありません。 また、平均値を使いますので、 発注点方式 で正規分布を利用する理論の難点が、ここでも影響してきます。

このサイトでは、 発注点方式 の発注点の決め方として、正規分布を仮定しない方法を紹介していますが、 かんばん方式でも、正規分布を仮定しない方法が考えられます。

しかも、「リードタイムの中での出荷量の合計の最大値」を使うところまでは、同じです。

「リードタイムの中での出荷量の合計の最大値」を発注単位で割って、小数点以下を切り上げた数字に、1を足すことで求まります。

最後に1を足す理由

発注単位が10の場合、在庫量が1から10の間は、残っているかんばんの数は、「1」になります。

「リードタイムの中での出荷量の合計の最大値」が「27」の場合、発注単位の10で割って、少数点以下を切り上げると、 「3」という数字が出て来ます。

「かんばん3枚」で表現できる最大の在庫量は、「21から30」です。 つまり、かんばんが3枚ある状態では、在庫量が「21」や「22」の場合もあり得ます。 そのため、かんばんが3枚あるだけでは、「27」という出荷量に対応できないことがあります。

最後に1を足すのは、このようにして欠品する可能性をなくすためです。

なお、出荷量が発注単位の倍数に必ずなっている場合は、端数の問題が起きないので、1を足す必要はないです。

発注点方式と、かんばん方式の違い

発注点方式もかんばん方式も、ある量を基準にして発注するので、違いがわかりにくいと思います。

発注点を使う方法は、 「発注点以下になる」、「発注」、「届く」、「発注点より多くなる」、というサイクルを繰り返すため、 発注したものが届かないうちに、次の発注ができる仕組みになっていません。

一方、かんばん方式では、上記のサイクルがかんばん単位で行われます。 そのため、発注したものが届かないうちに、次の発注ができます。 この性質は、リードタイムが長い時に、特に威力を発揮します。

かんばん方式は、細かな補充ができるため、平均的な在庫量は少なめになります。 特に、出荷量のばらつきが小さい場合は、平均的な在庫量を相当小さくできます。





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