このページは、SARIDモデルと筆者が仮名で読んでいるモデルについてです。
非常にシンプルですが、高機能です。
上記のように、他の方法を整理すると、SARIDモデルは、以下のようになります。
説明文は三重指数平滑法と同じです。 実際のところは、三重指数平滑法を極限までシンプルにした形になっています。
SARIDモデルは、上の式になります。
まず、右辺第2項(分母がhの項)がなければ、 Sモデル と同じです。 mは、1周期分のサンプル数を表しています。 そこからさらに、右辺第1項で、m = 1 ならば、 ランダムウォークモデル と同じです。
SARIDモデルの特徴は、第2項です。 まず、h = 1 の時は、1周期分の差を足すことを意味しています。 トレンドがあれば、この差がトレンドを表すので、この項でトレンドを表現することができています。
実用上は、hを2以上にした方が良いです。 その方が、トレンドによる差と、ばらつきによる差を区別しやすくなります。
予測値の求め方ですが、1周期分より未来についての第1項は、1周期前の予測値を使います。 第2項は、実測値の最後の値を、ずっと使い続けます。
実測値の最後の値を使い続けるので、過去にどのような変化をしていたとしても、だんだんトレンドの傾向が変わるような予測はできません。
また、最後の値の精度が、予測値に大きく影響します。 hを2以上にすることで、精度を向上させています。 ただし、あまりにも大きい場合、例えば、下の例では、何十周期も前まで含めると、トレンドの傾向が異なる場合が入るので、かえって良くありません。
SARIMAXTモデル
のページと同様にして、SARIMAXと比較した例が以下になります。
トレンドに対応できている様子がわかります。
SARIDモデルは、外生変数を扱えません。 MAレスの SARIMAXモデル のように、重回帰分析で解くことになるのですが、トレンドを扱うための差分の項が小さく評価されてしまうことが多く、良くありませんでした。
そのため、筆者は、SARIMAXDモデルは、モデルとしては作れても、適切な解法がないと考えています。
順路
次は
見せかけの回帰
