上場企業は、財務諸表や、決算書と呼ばれる書類を公表します。 この財務諸表の分析を、「経営分析」と言います。 「財務分析」や、「企業分析」と呼ばれることもあります。
経営分析では、収益性、成長性、生産性、安定性の観点で、企業を評価します。 評価のための尺度(指標)は、数10種類あるようです。
経営分析は、財務諸表の数字そのままでもできますが、 収益性、成長性、生産性、安定性を評価する時の尺度は、 財務諸表の中の数字を割り算して、「率」にしたものです。 例えば、収益性の尺度のひとつの「総資本回転率」は、 売上高を総資本で割ったものです。
ある尺度の数字があった時に、その数字だけ見ても、意味はわかりません。 経営分析の基本は、複数の会社で数字を比較することや、 複数の期間でその数字の変化を見ることです。 このため、一社一期分の財務諸表だけでは、あまり情報が得られません。
変化を見るというのは、 工程管理の管理図 と同じことをしています。 会社を製品と見立てれば、 経営分析の尺度とは、品質の尺度の仲間と言えるかもしれません。
数字の変化を見た時に、「なぜそうなったのか?」は、なかなかわからないものですが、 複数の数字の変化を見ると、理由が推測できることがあるようです。
環境会計は、排気や排水の適正処理や、省エネ、環境の啓蒙活動といった、 環境に関わるコストを集計する方法です。
時代の流れとしては、「環境」は、 CSR の一部として大きく捉えられるようになって、環境会計はCSR会計に遠からず変わって行くと思います。
「監査のためのデータ分析 ExcelとActiveDataで簡単にできる!」 武田剛 著 総合法令出版 2020
不正な会計処理を見つけるためのデータ分析の本です。
難しい理論を使うのではなく、違う時点を比較、分布の観察、数字の並び方を確認、異常なレコードの抽出、サンプリング、といった方法を紹介しています。
「Pythonではじめる会計データサイエンス」 稲垣大輔・小澤圭都・野呂祐介・蜂谷悠希 著 中央経済社 2023
会計のデータをPythonを使っていろいろなグラフにしています。
k近傍法で異常度を調べる分析もあります。
「会計思考を使ってビジネス戦略・分析ができる本」 永野良佑 著 翔泳社 2020
分析をする上で必要な各指標で、何を見ようとしているのかの説明が丁寧です。
「わかる!使える!経営分析の基本」 永野良佑 著 PHP研究所 2010
財務諸表の見方の本です。
率の指標ではなく、財務諸表にある指標の分析を解説しています。
分析のポイントは、ある期間の財務諸表だけでなく、複数の期間の変化を見ることだそうです。
・バランスシート : ある時点の財務の状況
・損益計算書 : 一定期間の変化(計算方法は各社の裁量である程度変えられる)
・バランスシート : 現金の増減
1〜3章でイオンを例にして、財務諸表の見方を解説しています。
4章は、武富士、トヨタ、信越化学、ニトリの分析をして、
これらの企業の何が良くなかったのか、何がすごいのかを解説しています。
「経営分析の基本がハッキリわかる本 :キャッシュフロー時代の計数感覚の磨き方・活かし方」 千賀秀信 著 ダイヤモンド社 2006
ある条件がそろうと、会社が成長していると判断できるそうです。その条件は、
売上高の伸び率
< 粗利益の伸び率
< 営業利益の伸び率
< 経常利益の伸び率
かつ、純利益の伸び率 > 人件費の伸び率
「TKC経営指標」として、経営指標の業種毎の平均値が発表されているそうです。
「入門経営分析」
倉田三郎・藤永弘・石崎忠司・坂下紀彦 著 同文舘出版 2008
各指標が教科書風に詳しく書かれています。
「これでわかった!「図解」経営分析 :成長性・安全性・収益性-「会社の実力」がズバリ見抜ける」 星野紘紀 著 大和出版 2007
図解で各指標をわかりやすく説明しています。
分析は、定数分析と比率分析を、ひとつの会社の時系列分析として実施したり、
複数の会社の比較したりします。
・定数分析 : 数字をそのまま用いる。
・比率分析 : 割合を分析する。
「アカウンティング」 山本和隆・伊藤良二 著 ファーストプレス 2008
損益計算書(PL)、賃借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書の説明の後に、
各種の指標を紹介しています。
実在する企業の財務表を例にして、リアルに説明してあります。
「道具としてのアカウンティング」 花野康成 著 日本実業出版社 2006
様々な指標が丁寧に紹介されています。
中小企業を意識した記述が多いです。
内部用の管理会計と、外部用の財務会計の違いも書かれています。
「環境会計A-Z」 河野正男 編 ビオシティ 2005
事典に近い本です。
用語の意味やポイントを、数ページずつ使って解説しています。
「環境会計の構築と国際的展開」 河野正男 編著 森山書店 2006
国別・企業別・事業別による環境会計の現状をまとめています。
「環境経営・会計」 國部克彦・伊坪徳宏・水口剛 著 有斐閣 2007
「企業の環境保全活動と経済活動を結び付けるのが環境会計」と提言しています。
内容は、環境管理会計・
マテリアルフローコスト会計・ライフサイクルコスティング
・
LCA
・環境影響の統合化手法(LIME)
・
環境効率とファクター
・環境情報開示・外部環境会計・社会責任投資(SRI)・
CSR
で、盛り沢山です。
最後にCSR会計の動向があります。
CSR会計は環境会計よりも企業の根幹部分に触れるため、
難しいそうです。
「環境会計の新しい展開」 山上達人・向山敦夫・國部克彦 編 白桃書房 2005
内容は、情報開示・各国の環境会計・
マテリアルフローコスト会計
・
環境効率
、等です。
企業研究が多いです。
順路
次は
管理会計