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マネジメントシステム

環境管理、 品質管理リスク管理 を進めるには、管理の仕組み(マネジメントシステム)を作っておく必要があります。

マネジメントシステムの「システム」とは、企業を動かす仕組みのことです。 システム工学 の機械的なシステムとは別物です。

マネジメントシステムの 規格 には、管理の考え方、管理項目、手続きの流れ、約束事等が体系化されています。

マネジメントシステムの統一規格

品質管理、環境管理、リスク管理のISOは、良く似ています。

品質、環境、リスクは、経営を見る時の視点です。 現在は、視点毎にシステムの規格があるため、それぞれに別々の対応すると、多重管理になってしまいます。 また、「品質の向上のために対策をしたら、環境影響が大きくなってしまう。」、 といった動きが会社の中で起こってしまう時に、適切な対応が難しくなります。

コンピュータのソフトが、OSとアプリケーションソフトで役割分担しているように、 マネジメントシステムの骨格になる規格を置いて、 そこから、品質、環境、リスクといったものを派生させた方が、良いように思います。 (上手く運用ができてるのかはわかりませんが、マネジメントシステムの統一を自主的に進めている企業もあるようです。)

ISO9001とISO14001

品質のマネジメントシステムの ISO がISO9001、環境管理のマネジメントシステムのISOがISO14001です。

品質管理の分野では、品質の全体最適を目指すために TQC という考え方が提案されていますが、ISO9001はTQCを実現するための方法のひとつになります。

ISO9001とISO14001には、要求事項があります。 要求事項ができているということを第3者に証明してもらうことが、 「認証を受ける」ということです。

下記は、ISO9001とISO14001の要求事項について、 共通部分と固有部分に分けていますが、筆者によるおおまかな分類です。 共通部分に分類していても、厳密な一致がある訳ではありません。 正確な内容は、原文を参照してください。
また、ISOは数年毎に改正があります。 その意味でも原文を参照してください。

ISO9001とISO14001の共通部分

ISO9001の固有部分

ISO14001の固有部分

ISO50001

ISO50001は、環境のマネジメントシステムの中でも、エネルギーに特化したものです。

ISO140001と基本的に同じですが、分析や評価を詳細に扱っています。

ISO31000

ISO31000は、 リスク管理 のISOです。

「リスク」と言えば、悪い事が起きるイメージがありますが、 ISO31000は、リスクを「目的に与える不確かさの影響」と定めているので、 良い事も含まれます。

ISO31000は、リスク自体の点数付けの前の、リスクの周辺の分析(現状分析)が深い印象があります。

JISQ2001

JISQ2001は、2001年にできた日本産のリスク管理の規格です。 2009年にISO31000が登場したために廃止になりました。

ISO31000には、不足の事態が起きる確率を小さくする方法はあるのですが、 起きてしまった場合の方法はありません。 しかし、JISQ2001は緊急時の対応も考えていました。 もともとISO14001を参考にしながら、JISQ2001を作ったのかもしれませんが、 JIQ2001とISO14001はとても良く似ていました。

ISO31000は、マネジメントの規格と言われていますが、 JISQ2001やISO14001と比べると、マネジメントシステムの規格というより、リスク評価の手法の規格という印象があります。



参考文献

図解 最新規格対応版 ISO9001早わかり」 白潟敏朗 著 中経出版 2004


図解入門 最新ISO14001がよ〜くわかる本」 辻井浩一 著 秀和システム 2004


管理者のための 環境側面の特定と管理」 吉野昇 著 オーム社 2007
記述が丁寧ですが、読むのは大変です。


対訳ISO 14001:2004 環境マネジメントシステム[ポケット版]」 吉澤正 編 日本規格協会 2005
原文(英語)と和訳が並んでいる本です。


対訳ISO 31000:2009 リスクマネジメントの国際規格[ポケット版]」 日本規格協会 編 日本規格協会 2010
原文(英語)と和訳が並んでいる本です。 JIQ2001とISO31000を比較した表もあります。


ISO 31000:2009リスクマネジメント解説と適用ガイド」 リスクマネジメント規格活用検討会 編 日本規格協会 2010
規格の制定の経緯や要点をまとめています。内部統制や安全分野との関連にも触れています。




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